線路は続くよどこまでも

気持ちが昂った時に書きます

「映画 中二病でも恋がしたい! -Take On Me-」を観て思ったこと

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 初めてブログを書きます、れいるです。今回、この記事を書こうと思ったのは、「映画 中二病でも恋がしたい! -Take On Me-」を観て感極まり、この気持ちを何かにぶつけたいという思いがあったからです。自分がいわゆるオタクになるきっかけとなった作品であるということもあって、今回の映画化はとても嬉しかったのです。その嬉しさが勢い余って映画を12回も観てしまったので、そのなかで気づいたことや考察、感想を自分の見解で語っていきたいと思います。(以下、多大なるネタバレを含むので、まだ映画を観ていない方は読まない方がいいかもしれません。また、アニメ1期と2期(TV未放送話を含む)についても言及するので、その点もご了承願います。)

 やや長いとは思いますが、時間の許す限りお付き合いください。

 

 

映画を見るにあたって

 今回、1回目はもちろん初日に観たのですが、その前に1期と劇場版総集編、2期を2日に分けて一気に見返す鑑賞会をやりました。特に2期は公開日前日に復習できたので、話の流れを思い出した状態で映画を見ることができ、内容がより理解しやすくなった気がしました。復習できる環境がある方は、そうしてから観たほうがより楽しめるかと思います。

 

1回目に観た時の感想

 映画を観終った後、とにかく幸せだった気がします。ずっと待ち望んでいた続編をついに観ることができた喜び、映画に対する感動やらなんやらでめちゃくちゃ幸せでした。生きててよかったって思いましたね。

 映画の中で印象的だったのは、旅先が京アニの聖地だったことです。2人が駆け落ち先として最初に訪れる京都で言うと、宇治にあるユーフォの例のベンチや宇治橋が出てきたりして驚きました。その次に向かった兵庫のレストランはハルヒの聖地でしたが、後ろにまんま阪急っぽい電車が走っていて、笑いかけてしまいました。

 後述しますが、主題歌、挿入歌もよかったです。勇太のメールによるタイトル回収と共に流れ出すSparkling Daydreamのなかで始まる十花さんの結婚式は、本当にまるでお祭り騒ぎといった感じでした。

 内容に関しては、勇太と六花のキスシーンの印象があまりにも強すぎて、大筋しか覚えていなかったような気がします。

 とにかくめでたい!というのが1回目鑑賞後の感想でした。(顕著な語彙力低下

 

2回目、3回目の感想

 この時はMOVIX京都で声優陣と監督による舞台挨拶がありました(1日で2回あったのでどちらも参加しました)。

 舞台挨拶で印象に残っているのは、「1期が始まってからもう5年とちょっとが過ぎたということは、ちょうど勇太たちの年代をこの5年の間に駆け抜けた、中二恋世代がいるのでは?」という話でした。自分が中二恋を最初に観たのは再放送からだったので始まりから追い続けてきたというわけではありませんが、やはりその世代であることに変わりはなかったのでちょっとした感慨もありました。

 また、ちょうどこの翌日が自分の学年の成人式がある日だったので、この映画のテーマのひとつである「大人になるとはどういうことか」というのをふと考えた一日でもありました...。

 

4回目以降の感想

 前売り券の消化や週替わり特典とフォトセッションの回収、物販などの目的で観続けたわけですが、ここでも気づくことがあったので、以下ではもう少し内容に踏み込んだ細かいことを書いていきたいと思います。

邪王真眼について

 これは結構後になって気づいたんですが、今回の映画では、六花の邪王真眼は解放されていないんです。京都での凸守との戦闘中も、眼帯をしたままでした。これがなぜなのかははっきりとはわかりませんが、一つ言えるのは、邪王真眼が六花のアイデンティティであると同時に、勇太との本当に大切なつながり、絆のようなものだと考えられるということです。ストーリー終盤、七宮が六花に対して言った「邪王真眼を捨てればいいと思うよ」というセリフを受けての六花の自問自答がこのことをよく表していると思います。

 さらに、このことを踏まえると、ラストに六花が言った、「私の眼、見る?」というセリフの意味が、より強まると思います。邪王真眼恋人契約の証として、勇太には見せてもいいという解釈もできますし、1期で、勇太とベランダで初めて会った時(1話)と12話のラストで同じセリフを言っていることから、2人の恋路が節目を迎えたということと、それがこれからも続いていくということを示しているとも解釈できます。

間接キスを気にする六花

 京都タワーで凸守から逃げる際に飲ませた牛乳に、勇太も口をつけた時に六花が言った、「勇太、間接キス!」というセリフ。ちょっと意外でした。1期の3話で、お箸を介して自分が勇太と間接キスしたときは表情を変えることも無かったのが、めちゃくちゃ赤くなって、しかも引きずってちょっと怒ってました。この反応、恋する女の子って感じがして個人的に好きですね。2期の12話で、六花がキスについて調べるシーンがありましたが、あそこも大好きです。どちらも六花の恋愛感情が垣間見えるシーンとして印象に残りました。可愛すぎへん?

十花さんの指輪

 最初に観た時は気付かなかったのですが、六花たちが最初に十花さんに見つかるファミレスのシーン、十花さんの食べていたパフェが一瞬でなくなるところのカットで、左手の薬指にちゃんと指輪をしてるんですよね。さすが、細かい。

七宮とくみんの心理描写

 バスに乗って七宮がくみんと共に青森空港を後にするシーンで、七宮が「私が来たからにはすべて決着する」ということを言ったあと、くみんは「ほんとに大丈夫?」と問い返しますが、そのあとに一瞬だけ見せる七宮の怒ったような表情に注目してほしいです。この表情に、七宮の六花たちに対する心理が垣間見えていると感じます。六花と勇太がちゃんとくっついてくれないと、2期で七宮が中二病であり続けるために勇太に対する思いを断ち切った意味がなくなってしまう。その背景的心理が、この表情に表れていると思うのです。

 そして、この心理が先走って、六花に対して「邪王真眼を捨てればいいと思うよ」などということを言ってしまったと考えられます。

 この一言の後、六花は「邪王真眼か勇太か」、つまり「中二病か恋か」を選ぶのなんて無理だとして、七宮と戦おうとしますが、くみんがそれを止めます。このときのくみんの七宮に対するセリフのうち、「それがすべてじゃないと思う。」のところの語気には、くみんの気持ちが出ていると思います。普段寝てばっかりのくみんが珍しく感情をあらわにしたところだったので、印象に残りました。また、「決めるのは七宮ちゃんと六花ちゃんじゃないよ。富樫君と六花ちゃんだよ。」ということを言ったのにもくみんの先輩らしさが見えています。ちゃんとみんなのことを見守っているんだなと感じたシーンでした。

凸守と丹生谷の関係性

 冒頭から仲良かったですね、この2人。生徒会に入ってまでも一緒になるの、すごすぎでしょ...。1期の13話でのアレを弱みとして握られたために六花たちを追いかけることになる、ということに始まり、今回は仲の良さがよりストレートに表れていたような気がします。ホテルで一緒に寝て目覚めるところと、空港で一緒にお寿司を食べるシーンで、ワサビの入れ合いをしてポカポカ殴り合うところが印象的でした。あと、青森で六花を見送るシーンで丹生谷が言った「誰が後悔してるなんて言った?ありがとね♪」というセリフ。これは本当に大問題ですよ。何を言っているんだ、お前は!アド!!!

 本当にこの2人の勢いはすごい。

 

主題歌について

 今回も主題歌を担当したのはやはりZAQさんでしたが、これまたいい曲を作ってくれました。中二恋の歌をずっと担当してきたということだけあって、作品への寄り添い方が半端ではないと感じています。

 これまでの歌にもありましたが、和歌で言うところの本歌取りのようなギミックが今回もありました(これまでに、劇場版総集編のED「Secret Survivor」に「INSIDE IDENTITY」のサビのメロディーが出てきたり、同様に1期の挿入歌「君のとなりに」にLiteのOP「君へ」サビのメロディーが出てきたりしました)。

 ZAQさん本人がブログで書いていること(

16th Single「JOURNEY」発売日。 | ZAQ オフィシャルブログ「Crescentic Lab.」Powered by Ameba

)も参考にすると、まず、「JOURNEY」の締め方が「Sparkling Daydream」と似ている点(チャーンチャーンチャーンチャーンチャラチャチャーンというリズムになっている)。これにも、勇太と六花の恋路の、「節目を迎えてまた始まる」ということが表れているのかなと想像しています。

 また、「Please,Take on me♡」(作詞:ZAQ)の歌詞にある、「指と指を星に例えてさ」のところは、1期挿入歌「君のとなりに」(作詞:ZAQ)の「点を繋いで星座にしたい その指で」という歌詞と関係しているのかもしれません。

 「こころのなまえ」(作詞:ZAQ)の最後の方に出てくる歌詞にも注目すると、

 始まりの種は (1期挿入歌「始まりの種」)
 君のとなりで花を咲かす (同上「君のとなりに」)
 夢が醒めても君はいる
 時はたっても 色褪せない
 声の意味は 変わらないよ (2期OP「VOICE」)

というように、過去の中二恋関係の曲名が入れ込まれています。また、「夢が醒めても君はいる」のところは、1期OP「Sparkling Daydream」(作詞:ZAQ)のサビの、「夢ならたくさんみた 醒めたままでもまだ会いたい」という歌詞と比べて、恋愛が進んでいることを示しているのではないかとも考えられます。

 このように、中二恋の歌の詞を見てみても、勇太と六花の恋愛がちょっとずつ進んでいるのがわかるのではないかと思います。

 

作品のテーマについて

 以上のことを踏まえてこの映画のテーマについて考えてみると、やはり「恋愛は旅である」ということに行きつきました。ちょっとずつではあるが、進んでいく。寄り道をしたり、休憩したりしながらも、節目となる通過点をいくつも通って、そのたびにリスタートする。先の長い恋路を、2人寄り添ってともに歩んでいく。その旅の過程こそが、恋愛である。そのように自分は感じました。

 2期で越えたはずの「中二病か恋か」という選択。今回もその問題で六花の心は揺らぎました。しかし、旅を通じて2人は互いの想いを再確認し、上級契約をついに結んで、これからも続く旅路をずっと一緒に歩んでいくことを固く誓い合ったのです。

 そして勇太は一つの答えを出しました。「中二病でも恋がしたい!」と。

 

個人的に気になったこと

 映画の主な内容については上のことをもって締めたいと思います。ここからは、ストーリーからは少し離れますが、少し気になったことについて書いていきます。

京アニ聖地巡礼

 感想のところでも少し書きましたが、この映画では、過去の京アニ作品の、いわゆる「聖地」を巡礼しています。自分の覚えている&知る限りで、何処を巡ったかまとめてみます。

・例のベンチ、宇治橋、京都駅(ユーフォ)

・たまや、うさぎ山商店街(たまこまーけっと

・十花さんに最初に見つかるファミレス(ハルヒ

・和歌山に着いて、「ここどこ?」のシーンの廃線跡AIR

・凸守がステーキを食べるファミレス(CLANNAD

・北海道で六花が「いま私の思考を読んではダメ!」と言うシーンのあたり(Kanon

・七宮&くみんに六花が会う竜飛崎(CLANNAD

 

だいたいこんな感じです。ユーフォとハルヒAIR以外はまだ観たことがないので、春休みに観たいと思います。

旅の交通手段が豊富

 今回の映画だけで、電車、夜行バス、飛行機、路面電車、夜行列車、フェリーという風に、ありとあらゆる交通手段が登場しました。このことも、テーマが旅であるということに関係しているのかもしれません。

 しかし、これだけの大逃避行、よく財布が持ったなと思うばかりです。

シュバルツゼクスプロトタイプMkⅡについて

 六花の折り畳み傘についてです。今回、同じ傘を2本持ってましたが、いつからそうなのかわかりません。予備とかあったっけ...?勇太がプレゼントした、シュバルツゼクスパーフェクトカスタマイズゲルゾニアンサスはどこいったんですか...?わたし、気になります

京都タワーでの凸守

 書くかどうか迷ったんですが、せっかくなんで書きます。凸守が京都タワーで「バニッシュメント・ディス・ワールド!!」と唱えるときのポーズ、イワZと似てませんか???はい、それだけです。

 

終わりに

 ここまで読んでいただき、ありがとうございました。初めて書くブログ記事にしては長かったかもしれませんが、また何かあったらゆる~く書いていきたいと思います。最後にフォトセッションの画像を置いておきます。それでは、また!

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