線路は続くよどこまでも

気持ちが昂った時に書きます

回文の作り方

 こんにちは。最近回文を作るのが楽しくなってきたれいるです。

 ちょうど1か月前(1月中旬)、「#かざもんみ回文」に出会い、試験期間の、「勉強以外のことが何故か捗る現象」中にあった僕は回文を考えるのに時間を費やしてしまいました。そうした結果、回文作りに少しハマってしまい、それ以降、起きたら回文をつぶやく人になっていました。

 1ヶ月間回文をつぶやき続けた記念として、今回は回文の作り方を自分なりに紹介していきたいと思います。

 ”よろしくや(早くしろよ)。”(回文)

 

はじめに:回文とは

 僕が思う、日本語における回文をはじめに定義しておきます。

 回文とは、「意味を持った一連の文章であり、ひらがな表記で書き直した時に、それを文末から読んでも同じ文章になるもの(句読点や感嘆符は除く)。」である。

 ここで言う「ひらがな表記」の仕方は、人によってこだわりが違うところだと考えています。例えば、回文を成立させるために「ぱ」を「は」と表記してもよいとする人と、そうでない人がいると思います。

 僕の「ひらがな表記」のレギュレーションは、「濁音、半濁音はそのままの表記のみ。長音記号もそのまま。小文字(「ぁ」、「っ」、「ゃ」など)はその大文字として表記する。」ですが、正直気持ちの問題なので強くこだわらなくてもいいと思います。

 

日本語としての成立

 回文の性質上、音に縛られながら単語選びをしなければならないため、普段書かないような文体になったり、単語間の接続関係があいまいになったりして、意味の分からない文章になってしまう恐れがあります。その意味のわからなさも回文の楽しみ方のひとつではあると思いますが、「意味を持った」と定義したように、日本語として成立しているのが最低条件です。

 主語述語の関係、単語同士のコロケーション等がしっかりしているとちゃんとした文章に見える、というごく当たり前のことですが、回文においてはこの条件を十分に満たすのが難しく、それゆえ作りにくいのだと思います。

 こうした困難をいかにして越えているかというのが回文に対する評価の尺度のひとつであると考えており、「意味が通っていて、かつ長い回文ほどすごい」と感じる理由はここにあります。

 

回文始動語:コアについて

 ここからは、具体的な回文の作り方の話です。

 回文を作るとき、突然天から文が降って来るのを待っていてはいつまでたっても出来ないので、とりあえずいろんな単語をひっくり返すところから始めます。この過程で、「あ、これは回文出来そう!」となった単語が回文始動語(以下コアと呼ぶ)です。

 コアは考えて出てくるものではないので、とりあえず適当な単語を探してはひっくり返す作業を繰り返します。Twitterで流れてきた単語や、人のハンドルネーム、辞書や本を眺めて目に入った単語などをひっくり返していくのがいいでしょう。

 

例文:雪に訊くは無 吐く汽に消ゆ(1月26日)

 外で雪が降っていたので考えた文です。コアは「雪」で、「ゆき→きゆ」となり主語述語の関係がこの時点で成立していたため、比較的作りやすかったです。

 

回文の延長:コアとの意味的関連

 コアが定まれば、次はそこから単語をつなげていき、意味の通る文章にしていきます。

 基本的には、コアと同様に、いろんな単語をつけてはひっくり返すというのを繰り返すのですが、ここで大事なのがコアとの意味的関連です。

 コアを見つける時は何の脈絡のないところからでしたが、文を延長するときには、コアと意味的関連を持つ語を類推して、それらがうまくつながるかを試すのが効率的です。

 どうも思いつかないようなときは、文中の単語に助詞(「に」、「も」「で」など)を付け足したりして、文章のつながりや枠組みから考えてみるのもいいです。

 いずれにせよ、動詞や形容詞、人名や場所の名前など、つなげる単語の品詞、種類は文中である程度制限され、その中で考えなければならないので、回文の延長は自身のボキャブラリーとの闘いだと言えるでしょう。

 

例文:えぇ麺ラブ飽きぬ九人に問うと「ニンニクヌキアブラ、んめぇぇ」(1月30日)

 コアは「ニンニク」で、類推で「にんにくぬきあぶら」としたところ、ひっくり返して「らぶあきぬくにんに」となった。「飽きぬ九人」は何が「ラブ」なのかと考え、「麺ラブ~」と付け足してみると、ひっくり返して「にんにくぬきあぶらんめ」となった。このように、コアから「付け足しひっくり返し」の作業を繰り返すうちに上のような回文が出来上がりました。

 

最後に

 回文を作るときに主に僕が考えていることはだいだい以上です。要するに、「回文を始めるための単語を見つけ出し、それに続くように関連する単語を類推し、付け足し、ひっくり返す作業を繰り返す」ということです。

 いきなり作るのはやはり難しいかもしれませんが、いい回文ができたらそれは嬉しいものです。ご飯屋さんでの待ち時間や、電車やバスの移動時間などの暇な時間に回文を考えてみるのもいいかもしれません(布教)。

 それでは、最後はやはり回文で締めたいと思います。ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

 

 詩好んで光るのは語彙さ

 最後は載るか秘伝残し