線路は続くよどこまでも

気持ちが昂った時に書きます

2023年のエンタメ振り返り

 あけましておめでとうございます。今回は競馬振り返りを先に書いたので遅くなりましたが、2023年のエンタメ振り返りをしていきます。

 文中の今年は2023年を指します。

 

 

アニメ

TVアニメ

 2023年に放送されたTVアニメから、4作品を振り返っていきます。

 

お兄ちゃんはおしまい!

 上品になりすぎた現代に一石を豪速で投じたアニメ。『無職転生』のスタジオバインドが全力で萌えを描き切りました。2023年冬はこの作品の一強だったと思います。

 何というか、ここまでやりたいことに振り切ったアニメはそんなに無い気がする。欲望に忠実というかそういった熱量が伝わってくると、話のネタがけしからんとしてもいいアニメだなと感じてしまいます。動きまくるEDも印象的で、そういった気合の強さを存分に感じる作品でした。

 あと、”おしまい”には”お終い”と”お姉妹”が掛かっていると個人的に思ってます。

 

ウマ娘プリティーダービー ROAD TO THE TOP

 厳密にはTVアニメではないですが。

 自分が今年競馬にハマったということもあり、より面白く感じました。クラシック一戦目、皐月賞の当日に1話を公開するの、完全にわかってますよね~。

 これまでのTVアニメ版のウマ娘とはまた少し違った雰囲気で、全体で4話という構成も短めでしたが、ピークで気持ちよく終わったのでそれでよし。やっぱり敗北にめげずに頑張って最後に勝つ、っていう流れが一番感動します。

 キャラクターデザインは『恋する小惑星』の山崎淳氏で、単純に氏の描く顔が好きだということもあるかもしれません。アヤベさんもカレンチャンもいつにもまして顔が良かったように思います。

 OPも印象的で、サビでターフに吹く風になるとこの疾走感あるカメラワークが特に気持ちよかったです。あとシンプルに曲が好き。

(サビ直前から始まります)

 

【推しの子】

 俺たちの動画工房が大覇権を取りに来ました。もう覇権過ぎて逆張りたいレベルの覇権だと思います。もう世の中で『アイドル』を聞いたことがない人いないんじゃないか?絵良し、曲良し、話良しでもうシンプルに覇権。なんでもかんでもYOASOBIやんけ~~~と思いつつも結局答えすぎて何も言えないです。

 OPに注目しがちですが、ED『メフィスト』も負けないほどの影響力があり、去年で言うところの『花の塔』ばりにミーム化も見られました。何かオチが着く映像にEDのイントロを流して雰囲気出すやつです。

 このEDのイントロを本編にかぶせるやつ、同じ平牧監督の『恋する小惑星』でもやってて好きだったので自分は後方で腕組して頷いてました。横長画角な点もいいですね。

 第2期が決まってるのも楽しみです。黒川あかねさんには幸せになって欲しいんですがどうなんでしょうか…。

 

星屑テレパス

 今年のきららはこれだけでした。

 独占配信というところだけがもったいなかったですが、そのおかげかクオリティは高かったので満足はしました。自分はテレビ放送を録画して観る派なのでなんとか。

 自分の居場所を求めて宇宙を目指す少女・海果が宇宙人の少女・ユウと出会い、ロケット製作を試みる…と言えばきらららしいファンタジーさがありますが、思ったよりもちゃんと理系的にロケットを作ろうとしていて、そこは部活動ものらしい現実感がありました。

 特にロケット製作の理系担当・雷門さんはきらららしからぬトゲトゲぶりで、女子高生間じゃなかったらパワハラになってたと思うレベルでした。それにもめげずに雷門さんを仲間にして部長としての役目を果たした海果は本当に偉い。

 その点、常識人枠の遥乃ちゃんは見てて安心できる存在で助かりました。彼女がいないとチームの先行きは明るくなかったはず。マジでありがたい存在。

 あと、ユウの能力でおでこをくっつけて相手の心を読む”おでこパシー”というものがあるんですが、これがこの作品の最大の天才ポイントだと思います。結局そういう触れ合いって、萌えるんすよね…。

 

劇場アニメ

グリッドマンユニバース

 最高。いろいろ最高だったはずなんですが、いざ思い出してみるとエンドロール最後の「原作 グリッドマン」にすべて持っていかれました。また観ます。

 

劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE

 サイコパスって面白れぇ~~~~~です。時系列的には2期と3期の間で、3期で常守さんが捕まってた理由がここで判明しました。サイコパスで観たいこと全部観れた気がします。また全編通して観たい気分ですが時間がね…。

 冷静にこの映画の内容を3期で明かさずに終わったの凄すぎる。もともとそういう予定やったんか?それにしては3期から結構時間経ったけど。

 常守さんのシビュラシステムへの距離感って盲信とも拒絶とも違って絶妙でしたが、そこの考え方がしっかりと描かれていたのがやはりよかった。常守さん、法に対する思想が強火やねぇ。

 あと慎導父がイケオジすぎて惚れました。そして凛として時雨が良すぎて神でした。

 

青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない/ランドセルガールの夢を見ない

 やっぱり青ブタっていいんですよね。

 ”おでかけシスター~”では、”花楓”の進路に関する問題が扱われました。今回は特に思春期症候群が出てくることはなかったですが、”かえで”とはやはり異なる”花楓”の進路はどっちだ、ということで間接的に扱っていました。

 進路を真剣に考える学生が一番好きなのでほんまにこういう話をしてくれてありがたかったです。自分と向き合う瞬間ですからね。

 ”ランドセルガール~”では咲太自身に重点を置いた話が展開されました。せっかく家族が再集合できそうになっていたのに、咲太がちょっと前の麻衣さんのように誰からも見えなくなってしまう…。特に母親から、家族からスルーされるのはやはりしんどかったです。家族とはちゃんと向き合った方がいい。

 それはそれとして麻衣さんと咲太の関係がどんどん進んでて震えました。婚姻届って何事?世の中の恋愛ってそんなに展開早いんか?

 あと、これはうろ覚えですが咲太が校庭で麻衣さんを呼ぶシーンで1期のBGMメロディを持ってきてたのが良かったです。

 

アリスとテレスのまぼろし工場

 「主題歌:中島みゆき」でさすがに鑑賞。このタイトルでアリスもテレスも出てこなくて攻めてました。

 岡田麿里監督って人間の”血”の通った恋愛を描くのが上手いと思ってるんですが、今作はそれが十二分に発揮されていたと思います。どうしようもない恋心というか、本能、欲望、煩悩のような衝動的な恋。痺れましたね~~~。

 まぁその分「”俺は”好き」って言いたくなるような感じのドロっとした作品のような気はします。そこがいいんですが。

 中島みゆきの主題歌『心音』も作品にしっかり寄り添ってて沁みました。中島みゆきのアニソンが存在する日が来るとは。作中の時代にも合いつつ、かと言って古臭いわけではないというのが凄いところ。

 アンニュイな雰囲気の榎木淳弥と何考えてるかわからん上田麗奈久野美咲の幼女が好きなオタクは是非。ネトフリで観れるらしいです。

 

2024年の展望

 ここで挙げた以外に、今年は”ユーフォ”や”ニジガク”の短編がありましたが、来年はどちらも続編があるということで楽しみです。それに加えて『ゆるキャン△』も3期がありますし、”シャニマス”のアニメ化もなんだかんだ楽しみにしてます。

 映画だと山田尚子監督の『きみの色』が楽しみです(去年も触れた気がしますが結局2024年になるらしい)。

 そういえば『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』の古川監督の”ラブコブラ”というか”タイトル未定作品”は全く音沙汰ないですがそろそろ何かあって欲しいですね。

 

 それでは、次はアニソン振り返りです。

 

音楽

個人的2023ベストアニソン

 今年もやっていきます!今年は特別賞はなしで、ノミネートは全部で73曲になりました。

 埋め込みから聴く場合は音量注意です。

 

 

OP賞:点と線(伊藤美来

 『星屑テレパス』のOP。

 宇宙がテーマということで、夜の静かな感じの始まりが印象的でした。最初の音も、点と線というタイトルらしくモールス信号みがあってグッド。そもそも点と線というタイトル自体が、星座や人と人の繋がりを連想できていいですよね。

 OP映像と合ってたのも良かったです。サビ前でみんなの手が重なり合うとこが好き。OP映像だけでも配信してくれ~~~!

 

ED賞:メフィスト(女王蜂)

 『【推しの子】』のED。

 やっぱりこれになりました。曲の良さに加えて、イントロ被せといったエンディング性能が高いとED賞をあげたくなります。

 女王蜂の曲を普段聴くわけではありませんが、『犬王』での歌唱も然り、やはりボーカル・アブちゃんの支配力とも言える歌唱力には圧倒されます。サビでめっちゃ高音歌った後に「星に願いをかけて」と低音で締めるとこが好きです。

 

劇場作品主題歌賞:心音(中島みゆき

 『アリスとテレスのまぼろし工場』の主題歌。

 イントロの雰囲気と流れ始めるタイミングがバッチリだったのが印象的でした。中島みゆきがアニメ映画の主題歌を担当したという驚きだけでもポイントは高いですが、それだけに収まらずしっかりと映画のための曲になっていました。

 

 これとは関係ないですが、今年は3月に北海道の余市蒸留所に行ったり(連ドラの『マッサン』の聖地。中島みゆきが『麦の唄』で主題歌を担当)、競馬ではスターズオンアースが活躍したり(個人的に応援するとき『地上の星』を聴いてた)など、中島みゆきに触れる機会がちらほらあったような気がします。

 

キャラクターソング賞:光の中へ(結束バンド)

 キャラソンというかなんというかという感じですが、この曲のおかげでぼざろが2022年だった気がしないんですよね~。もうあれから1年経つのか…。この曲は結束バンドLIVE-恒星-で初披露された曲ですが、このライブもやはりよかったです。青山吉能があの曲のイントロを弾きだした時はさすがに声出ました。

 この曲もちゃんと結束バンドの曲という感じがして好きなんですが、これまでいろんなアーティストが作曲して提供してるのに、どの曲にも結束バンドっぽさが共通してあるというのもなかなか不思議な気もします。これがボーカルあるいは編曲の力なのかもしれません。

 来年は劇場総集編があるので、映画館の音響でライブシーンを観るのが楽しみです。

 

周辺曲賞:優しさの記憶(鹿乃

 ブルーアーカイブからはこの曲。

 もうすっかりプラナちゃんの存在が当たり前になってますが、今年新登場だったんですよね…。つまりこの曲がラストを飾った最終編も今年の出来事。感慨深い。

 ブルアカってBGMもいいんですが、歌もすごくいいのは隙が無い。作曲はテーマ曲『Constant Moderato』や、いまやブルアカをやってなくても知ってる人が多い『Unwelcome School』を生み出したミツキヨ氏。ブルアカの音楽を支えまくっとる。

 最終編はあくまでブルアカの終わりではなく、ひとつ区切りをつけて次に行こうとするストーリーでしたが、この曲もその空気感をしっかりと表していたように思います。別れの寂しさはありつつも、これまでの想い出を胸に次へ向かう。卒業ソングのような。この曲のキャラ歌唱バージョンが来たらやばいかもしれん。

 

 そういえば、最終編の時には連合作戦イベントで色彩と戦うことがありましたが、これってgradation(色彩)とgraduation(卒業)が掛かってるんじゃ…という解釈があって結構好きでした。ただ、どうやら英語版で色彩はChromaというらしいです。

 

過去作賞:逆光(坂本真綾

 これと『色彩』(坂本真綾)をちょくちょく聴いてました。FGOはやってませんが。

 別に2023年に関連した何かがあったわけではないですが、シンプルに気に入って聴いた回数が多かったということで選定。坂本真綾の歌って何かリピートしたくなるのが多いんですよね。この曲はAメロの譜割りが難しめに感じますが、それがサビでノリやすくなるのが緩急あっていいです。

 あと、今年の曲だと『体温』も結構リピートしました。『躍動』がかなり好きで、それと同じ作曲(古閑翔平(ユアネス))だったというのもあります。

 

大賞:刹那の誓い(feat.由崎司)(Neko Hacker)

 『トニカクカワイイ(シーズン2)』のOP。途中のギターパートが好きすぎてコレ。

 『トニカクカワイイ』は1期も現代的なOPでなかなか攻めてましたが、この曲もそれに負けない強さがありました。途中のギターパートでタイトル出てくるのまぁカッコいいんすよね~~~!

 Neko Hackerの曲はこれまでもちょくちょく聴いてましたが、やっぱりこの曲のギターが段違いで好きかもしれん。なんというかコブシを感じる。

 トニカク、一聴の価値アリ。

 

 以上、個人的2023ベストアニソンでした…!

 

終わりに

 ここまでお読みいただき、ありがとうございます。最後はやはり回文で。

 

 

  持たせるは杵。マリルリ招き春、瀬田も。

 

 

 卯年だったということで。

 

想い出たち抱えてゆく これからずっと

 

2023年 競馬振り返り

 振り返りの季節がやってまいりました。いつもならエンタメ振り返りとしてアニメなどの話をするところですが、その前に今年は新たにハマった趣味、競馬について振り返っていきたいと思います。来年もするかはわかりませんが、後学のためにも記録として残しておきたいと思います。

 

 

前日譚

2021日本ダービー

 思い返せば、ウマ娘リリース年である2021年、1回だけ競馬に触れた機会がこれでした。どんな馬券を買ったかは忘れましたが、エフフォーリアを重視しつつもシャフリヤールやステラヴェローチェを軽視して外してたような気がします。この年はこれで「競馬はやるもんじゃねぇな」と思ったのか、別にハマることはありませんでした。

 

2023北海道旅行

 そして時は流れて2023年3月、北海道旅行で訪れた帯広競馬場が初の現地競馬となりました。ばんえい競馬が最初というのもなかなかアレですが、予想してレース見て一喜一憂してまた予想するというループの時間はかなり楽しかったです。ばんえい競馬なので馬のスピードに合わせて動きながら応援できたのもよかった。

 この日、竈門炭治郎をこよなく愛する友人が横にいて、タンジロウという馬が出走していたので、「買うしかねぇよなぁ」と単勝(9.4倍)を買ったらホンマに当たってビビりました。サイン馬券って存在します。

 

本編

 旅行が終わって3月下旬、ばんえい競馬に行ってきた話を大学の友人にしたら、直近の大阪杯の現地観戦に行こうという話になり、中央競馬に参戦することに。たぶんこれが全ての始まりだったと思います。

 

4/2阪神3R:3歳未勝利戦

 大阪杯現地観戦。メインレース前のこのレースが印象に残ってます。このころはまだnetkeibaの存在さえしらず、現地で買った競馬新聞の印を頼りに馬券を買ってました。

 このレースでは印のついた馬が11頭中6頭ぐらいで、「◎と〇と、ちょっとぐらい△のやつも入れるか」ぐらいの気持ちで人気も見ずに3連複4頭ボックスを買ったら本当に当たり、さすがに脳汁出ました。この時入れたジョータルマエは紙面上では△(うろ覚え)で、「ホッコータルマエの子どもか~。知ってるし入れよ!」ぐらいの気持ちでしたが、これが最低人気だと知ってたら買ってなかったと思います。さすがにビギナーズラック。ウマ娘に感謝ですね。

 

大阪杯

 そしてメインレース。一回も馬券内を外したことがない&名前が地上の星っぽくていいという理由でスターズオンアース(ぬいぐるみも買った)の応援馬券と3連複7頭ボックスを買いましたが、10番人気ダノンザキッドを入れ損ねて負け。残念。この時の1着ジャックドールの鞍上は武豊(知ってる)で、「やっぱり武豊ってすごいんやなぁ」と確かに思い知りました。スターズオンアースもちゃんと2着には来てくれてよかった。

 結局この日の収支はマイナスでしたが競馬の楽しさを知ってしまった一日でした。

 

桜花賞

 難波の方に用事があり、ウインズで買いました。現地ほどではありませんが人が多くて活気があり、また紙の馬券を買えるというのもネットで買う競馬にはない良さでした。

 この時はリバティアイランドが飛ぶかもしれないという恐怖(今思うと謎)からハーパーの複勝に重きを置いてちょびっとだけ買いました。スタートしてリバティは結構後ろの方になってこれはホンマに飛んだか?と思ったら最後あり得ない末脚で勝ってビビりました。なんで信じなかったんだ。

 この後ジョッキーカメラで川田将雅がリバティのことをお嬢さん呼びしてることにツボり、それと共に去年のリーディングジョッキーだったことも知り浅学を恥じました。

 

皐月賞

 この日は家で観ました。桜花賞の時と違って一強ムードではなく、広げて買って当てる自信も無かったのでリーディングジョッキー川田将雅を信じて10番人気ながらもダノンタッチダウン複勝を買いました。

 観てたら最後の直線シンガリで啞然としました。そんな負けることある?距離適性が重要ということを学びました。

 また、勝ったソールオリエンスのジョッキーカメラも印象的でした。勝った瞬間の横山武史の叫びが気持ち良すぎ。

 

天皇賞(春)

 ポケサー時代の友人たちとリニューアルした京都競馬場に観に行きました。大阪杯以降、競馬新聞の読み方やnetkeibaの存在も知り、桜花賞皐月賞の負けを経て少しは馬選びの仕方を学んで臨めたと思います。

 古馬の対戦ということで戦歴から距離適性や実力も判断しやすく、3連複のフォーメーション(以下FM)というややウマぶった馬券を買いました。菊花賞阪神大賞典ともに2着で今回は皐月賞と違って距離適性に問題はないということで、またもや川田将雅を重視してボルドグフーシュを軸に、相手6頭で買いました…。結果は1着ジャスティンパレス(ルメール)でボルドグフーシュは6着。相手に選んだ6頭から3頭馬券内に来てたので3連複ボックスにすればよかったと後悔。長距離の川田はそうでもないと学びました。

 この日、タイトルホルダーの跛行やアフリカンゴールドの心房細動があり、ヒヤリとしましたが何とか無事でよかったです。ライスシャワーサイレンススズカについての知識は多少あったので、そうならなくて本当によかった。

 終わったあとの鳥貴族ではリベンジを誓いました。

NHKマイルC

 春天の時に一緒に行った競馬有識者が「やらん方がいい」と言っていたので、武豊オオバンブルマイ、川田のダノンタッチダウン、D.レーンのカルロヴェローチェのワイド3頭ボックスだけ買いました。結果はこの順で3,4,5着。ダノンタッチダウンがちゃんと掲示板に来たのは少し嬉しかったです。勝ったシャンパンカラーはドゥラメンテ産駒。リバティアイランドもそうですが、産駒のすごさを学びました。

 

ヴィクトリアマイル

 ここまで川田を買いまくってた僕ですが、ここに来てようやく馬の実力で選ぶことを覚えました。大阪杯2着のスターズオンアースを軸にして、相手3頭(上位人気のナミュール、ソダシ、ソングライン)の馬連流し、ワイド流しと、「安田記念勝ってるのに4番人気は低いやろ」ということでソングラインの単勝を買いました。あと一応川田のルージュスティリアの複勝も買いました。

 結果、ワイドとソングラインの単勝が当たり、ネットで馬券を買いだしてから初的中!まぁ上位決着だったので大勝ちというほどではありませんが、やっぱり当たると嬉しいです。この日飲んだビールは美味かった。

 古馬GⅠ、そして東京マイルが好きになりました。

 

オークス

 牝馬三冠レース二冠目。リバティアイランド(川田)に注目が集まりますが、マイラー説にビビって軸にできず、リバティ抜きのワイド5頭(2000mの経験があったハーパー、ゴールデンハインドなど)ボックスを買いました。

 結果はリバティアイランドの圧勝。3着に来た穴馬ドゥーラも買えず負け。

 なんでリバティ信じなかったんだ。

 まぁダノンタッチダウンのこともあるので距離延長で慎重になること自体は悪くなかったと思います。

 また、今回のオークスは上位7頭中ドゥラメンテ産駒が2頭、キタサンブラック産駒が3頭となり、血統ってあるんやなぁと改めて印象に残りました。

 

日本ダービー

 クラシック二冠目。皐月賞な鮮やかな末脚が脳裏に焼き付いていたのと、エフフォーリアで獲れなかったダービーをここで獲ってほしいと思ったのでソールオリエンスを軸にしました。3連複FMで2列目スキルヴィングとファントムシーフ、3列目ほぼ全頭みたいな感じの馬券を買ったと思います。

 結果はタスティエーラが優勝。テン乗りは来ないと思ってましたがさすがはD.レーンです。ソールオリエンスも最後頑張って突き抜けましたが届かず…!

 また、相手として重視していたスキルヴィングは最後方で何事かと思ったら入線直後にあんなことに……。ダービーでもこういったことが起こるのか……と痛感しました。

 ただただご冥福をお祈りするばかりです…。

 

安田記念

 ヴィクトリアマイル以来の東京マイル。これも古馬GⅠということで、ヴィクトリアマイルでの経験を生かす時が来ました。

 なんだかんだ言って結局上位決着するだろう、またヴィクトリアマイルで大外から2着にまで来たソダシが内枠に入ってしかも鞍上が川田なら馬券内は固いだろう、過去2年の安田記念で馬券内のシュネルマイスターもさすがに強いだろうという予想のもと、シュネルマイスターからの相手3頭(ソングライン、セリフォス、ソダシ)馬連流しと、ワイド1点(シュネル、ソダシ)を買いました。上位人気厨ですね。

 結果はソダシ7着、シュネル3着…。なんで?それならせめて1~4番人気の3連複ボックスでいいやん。あまりにも馬券が下手すぎました。今回の川田はさすがに大丈夫やと思ったんですが。ソングラインが強すぎました。さすがにヴィクトリアマイルに続いて連覇は出来すぎだろうと思って今回は単勝買ってません。セリフォスはシュネルマイスターとタイム差なしの2着。ダービーに続いてまたしてもD.レーンにわからされました。

 今年最も馬券を買い直したいレースはコレです。

 

エプソムC(GⅢ)

 競馬での負けは競馬でしか晴らせない。

 安田記念の負けを引きずって、ここで初めてGⅢに手を出しました。GⅠでは強い勝ち方をした馬を選ぶことが多かったですが、今回はGⅢということで抜け出た存在は特におらず、GⅠやGⅡで惜しい負け方をした馬、枠や脚質的に有利な馬を見極めて選びました。

 そうして信じたのは、毎日王冠マイルCSで善戦していたジャスティンカフェと、内枠で先行できそうなマテンロウスカイ。その他の相手も含めて馬連FMだけ買いました。

 結果はジャスティンカフェ1着、マテンロウスカイは3着で、2着のルージュエヴァイユ(買ってない)とはタイム差なしでした。

 安田記念とまぁ同じ負け方。大人しくワイドにしとけば…。次の東京マイルはまずワイドを買おうと決意しました。

 

宝塚記念

 上半期で最後のGⅠ。ここで外せば次のGⅠは10月までなし。また、世界最強馬の呼び声高いイクイノックスが走るということで阪神競馬場まで現地観戦に行きました。

 安田記念エプソムCと続いて馬連を外していた僕は、イクイノックスならまぁ連対は固いやろということでこの馬からの馬連10頭流しと3連複FMをガミ覚悟で買いました。穴期待で実力の割に低人気だと判断したプラダリア(16人気)やジオグリフ(11人気)も入れて準備万端やと思っていたら……。

 結果はイクイノックスが後方からの見事な差しで1着。2着との着差はわずかでしたが、さすがは世界最強。これは当たったと吠えてたら掲示板の2着には知らない数字が。

 2着、6番スルーセブンシーズ。

 買ってないよ。阪神開催の秋華賞マーメイドSも二桁着順やったやん……。馬も成長するということを痛感しました。鞍上の池添謙一もやはりグランプリ男と言われるだけはありますね……。

 外すくらいならイクイノックスの単勝でいい。そういうレースでした。

 

夏休み

 宝塚記念後はしばらく中央競馬のGⅠはなく、GⅢや大井のJpn1でちびちびやってました。帝王賞CBC賞プロキオンSジャパンダートダービーなど。

 特にメイショウハリオの帝王賞連覇やミックファイアの南関東クラシック三冠にはしびれました。地方競馬も見応えありますね。

 

北九州記念(GⅢ)

 大学の友人と福岡へ旅行に行くことになり、それなら小倉も行けるやんということで行ってきました。ちょうどフリーパスの日で入場料無料だったのがアドでした。

 北九州記念は短距離のハンデ戦ということで、そこまで上位決着しないだろう、また夏負けしなさそうな馬がいいだろうという予想のもと、前走7月のCBC賞で強かったジャスパークローネ(5番人気)を本命にしました。そして、馬連を当てたくてしょうがなかった僕の馬券はこちら。

15番ジャスパークローネ応援、馬連全頭流し

 馬連全頭流し。宝塚記念引きずってますね。切った馬こそ来るかもしれないという恐怖。まぁこれでも当たればガミにはならないのでいいでしょう。後は全力で応援するのみ。

 最後の直線、周りの誰よりも「残せ!!!!!」と叫んだ自信があります。

 結果はジャスパークローネ1着、2着は1番人気のママコチャ。

 ついに当たりました……!う、嬉しい!まぁ、全頭流しのうちで一番安い決着にはなりましたが、ジャスパークローネの単勝も当たったので言うことはないですね。

 この後博多で食べたラーメンは美味しかったです。

 

秋に向けて

 北九州記念後、しばらく競馬はしていませんでしたが、秋のGⅠに向けた前哨戦ということで9月のGⅡはちらほら観ていました。

 特に印象に残ったのはオールカマーです。春天の時に跛行で力を出せなかったタイトルホルダーの復帰戦。スタート後、タイトルホルダーが綺麗に逃げて序盤から歓声が起こっていたのがよかったです。復帰を待ち望んでた人の多さを感じました。

 結局タイトルホルダーは2着となりましたが、4コーナーを曲がってきてからのしぶとさは本当にさすがでした。1着ローシャムパークとのワイドを買ってたので気分も良かったです。

 

スプリンターズS

 そして10月。秋のGⅠ戦線最初の戦いは短距離から。

 北九州記念でお世話になったジャスパークローネが出走するということで、なりふり構わずこの馬を本命にしました。この時の印は◎ジャスパークローネ、〇ママコチャ、▲ナムラクレア。結構頑張って絞りました。

 ジャスパーがしっかりスタート決めてハナを取り切り、先頭で曲がってきて後は残すだけ――!

 結果はジャスパークローネ4着、ママコチャ1着、ナムラクレア3着。馬券はジャスパークローネが馬券内に来る前提のものしか買ってなかったので外れました。

 うーーーーーん、絞り過ぎました。見立ては悪くなかったんですが。買い方で負けた時が一番やるせない気持ちになります。

 

毎日王冠(GⅡ)

 エプソムC以来の東京マイル。安田記念での激闘を見せたソングライン(1人気)とシュネルマイスター(2人気)にやはり注目が集まります。メンバーレベル的にもこの2頭が馬券外になることはないだろうということで、エプソムCでの反省を活かしてワイド1点勝負に出ました。

 シュネルはいつも通り後ろの方から、ソングラインはいつもよりかはやや後ろな印象。最後の直線、2頭とも仕掛けようとするが、残り400mで前に横長の壁が……!!シュネルは一旦後ろに下がって外に出したが行けんのか???

 結果はソングラインが2着、シュネルが3着でした。あぶね~~~。この展開でも3着に来れるのがシュネルマイスターなんですよね。1着の4番人気エルトンバローズは内内を通って、いい立ち回りでの勝利だったと思います。

 結局当たったワイドは安かったですが、当たりは当たり。ここにきて安田記念エプソムCの無念を晴らせました。

 

秋華賞

 牝馬三冠最終戦。リバティアイランドの雄姿を見届けるべく春天と同様のメンツで現地参戦しました。さすがにここまで来たら本命はリバティアイランド。観戦後の焼肉も予約して準備完璧で臨みました。

 毎日王冠で味を占めたというのもあって、馬券はリバティアイランドと2番人気ハーパーのワイド1点勝負。相手選びは直前まで迷いましたが、やはりオークスで好走しているのと鞍上ルメールということで信じることに。

 スタートは両者とも悪くなく、リバティは4コーナーで位置を上げて勝利を確信。切り替えてハーパーを見てみると直線で5番手ぐらい。こっから行けんのかと思ったら残り100mぐらいで2番手に。これはもろたでと思ったら後ろからもの凄い勢いでマスクトディーヴァが突っ込んできて、さらにオークス3着のドゥーラも忍び寄る……!!!

 「ルメーーーーーーーーーーーール!!!!!」気づけばそう叫んでいました。

 結果はリバティ1着で、なんとかハナ差でドゥーラを凌いだハーパーが3着。やっぱり信じるべきはルメールなんですよね。

 この後の焼肉はいつもより美味しかったです。

 

富士S(GⅡ)

 再び東京マイル。毎日王冠ほど豪華メンバーではなかった印象ですが、安田記念で好走していた4番人気レッドモンレーヴを本命軸に3連複FMで勝負しました。この時1番人気だったのはナミュールですが、買いつつも軸にはせず。正直これまでの走りでいいイメージを持てなかったのと、乗り替わりということであまり信じられなかったというのもあります。

 しかし結果はナミュール1着。鞍上モレイラの強さをここで思い知りました。それでもレッドモンレーヴは2着に来て、3着6番人気ソーヴァリアントもしっかり買えてたので馬券は的中!これが年間で一番払い戻し率が高い馬券でした。

 

菊花賞

 クラシック三冠最終戦。これも先週の秋華賞に続いて京都開催だったのでまたもや現地参戦しました。皐月賞馬ソールオリエンスとダービー馬タスティエーラの二冠を賭けた戦いでしたが、横山武史の雄叫びをまた聴きたいという思いから本命はソールオリエンス。父キタサンブラックはここでGⅠ初制覇したし距離は持つだろうと予想、同様の理由で父にサトノダイヤモンドを持つサトノグランツ(川田将雅)も戦えると考え、この2頭のワイドで勝負しました。ルメール騎乗のドゥレッツァ(父ドゥラメンテ)も怖い存在ではありましたが、大外かつこれまで2200mまでしか走っていないということで外しました。

 そしてスタート。ダービーで逃げを見せたパクスオトマニカがハナを行きそうだと思っていたら、いきなり後ろからピンク帽子のドゥレッツァがやってきて先頭に。これで早速どよめきました。向こう正面に行くころにはパクスオトマニカあるいはリビアングラスが先頭に立ってこのままドゥレッツァは沈むかなと思いきや、内目から直線に入ると余裕の手ごたえで先頭を交わしてそのまま1着でゴール。ドゥラメンテ産駒最強過ぎ。ソールオリエンスも外から頑張りの差しで3着でしたが、サトノグランツはついて行けず10着……。

 長距離の川田はそうでもないという春天での学びを活かせませんでしたが、それ以上にルメールのすごさを目の当たりにしました。GⅠは自動的にルメールを買った方がいいらしいです。

 

天皇賞(秋)

 宝塚記念で世界最強の走りを見せたイクイノックスの連覇が懸かる戦い。昨年は大逃げを打ったパンサラッサを天才の一撃で捕えた彼ですが、今年はどうか。イクイノックスを負かしたことのある馬は世界で2頭しかいませんが、そのうちの1頭であるドウデュースとのダービー以来の再戦ということで注目が集まりました。

 しかし、ドウデュースの鞍上、武豊がメインレースの前に怪我をして急遽戸崎圭太に乗り替わるというアクシデント。相手候補だったスターズオンアースも直前でレースを回避しており相手選びに困りましたが、鞍上が川田の時に全て1着というプログノーシスを相手にしてイクイノックスとのワイド1点勝負にしました。

 安田記念以外すべて芝2000mにこだわってきたジャックドールがいつも通りハナを行き、2番手にガイアフォース、イクイノックスは3番手からの追走という形になりましたが、昨年のパンサラッサよりは差がついておらず、そこまで飛ばしてないんかなと思いきや、1000m通過は57.7秒とめちゃくちゃハイペース。去年のパンサラッサは57.4秒で2番手と10馬身以上は差をつけていましたが、今年はジャックドールが同じようなぺースで飛ばしたのに2番手はすぐ後ろ、3番手イクイノックスとも5馬身程度しか差がついていませんでした。直線に入ってしばらく、前を行っていたジャックドールとガイアフォースが沈んでいく中、イクイノックスは信じられないほど伸びてきてそのまま天賦の才ですべてを蹴散らしてしまいました。ほんまに強い。コースレコードも飛び出して改めて世界最強たるその力を示しました。

 相手にしたプログノーシスは最高方からの競馬でしたが、前が沈む展開だったこともあってなんとか3着に入ってくれました。川田ナイス!

 

悪夢の11月

 毎日王冠富士S秋天など、そこそこ当てられて回収率100%超えも見えてきた頃合いでしたが、ここに来て急に当たらなくなりました。

 みやこS(GⅢ)はセラフィックコールを信じ切れず負け、エリザベス女王杯は2着のルージュエヴァイユを切って負け、マイルCSはセリフォスもシュネルマイスターも飛んで負けました。そこそこ買った割に的中率0%(ネット購入分)という体たらく。結局11月は現地参戦したジャパンカップだけしか当たりませんでした…。

 

ジャパンカップ

 世界最強イクイノックスvs三冠牝馬リバティアイランドという、大注目の頂上決戦。それだけでなく、秋天から続けてドウデュースとダノンベルーガ秋天を回避した完全馬券内牝馬スターズオンアース、春天でのアクシデントを乗り越えたタイトルホルダーや、前回覇者のヴェラアズール、そして昨年の秋天でイクイノックスから逃げ切りかけたパンサラッサといった豪華メンバーが参戦し、本当に見逃せない一戦だったと思います。

 当日は思い切って現地参戦。スターズオンアースのTシャツを中に着てぬいぐるみも鞄に入れ、地上の星を聞きながら新幹線代を稼ぐ覚悟で万札を握りしめて臨んだわけですが、当日の彼女の馬体重は+12kg。成長分と言えなくもないですが、さすがに万札を託すには不安が大きすぎたので結局買った馬券はイクイノックスとリバティアイランドのワイド1点1万円。馬連ですらないですが、やっぱり人間、大金を賭ける時は安定に向かってしまうということを痛感しました。

魂のワイド。

 

 結果はもう、イクイノックスが強すぎて祈ることもなく1着で、リバティアイランドは4馬身差とはいえ2着。そしてスターズオンアースもこのメンツでしっかりと3着に来て、またしても馬券内を確保しました。やっぱりスターズオンアース買えばよかった。

 そういうわけで1万円勝負は勝ったものの、プラスは3,000円。メインレース以外もトータルすると結局プラス60円という激安の結果に終わりました。いいレースを見て満足は満足でしたが、さすがにもうちょっと勝ちたいですね。

 

チャンピオンズC

 これを逃すと有馬記念以外は自信の無い2歳GⅠなので、そこそこ気合いを入れて臨みました。フェブラリーS南部杯と圧巻の強さで勝ったレモンポップに、ここまで無敗の3歳馬セラフィックコール、ダートGⅠ級レースで好走のメイショウハリオやテーオーケインズといったメンバーで、ダートの強豪がしっかりと集まった印象でした。

 しかし、レモンポップはここに来て距離延長かつデータ上かなり不利な大外。それに対してセラフィックコールは距離不安は無く、出遅れて追い込み展開になっても2018年の2着馬のように行ければ勝負できるだろうということで本命はセラフィックコールにしました。

 スタートして、レモンポップはすぐ先頭に立ってセラフィックコールは後ろから。それはまだ想定内でしたが、最後のコーナーでセラフィックコールは大外ぶん回しに出ました。確かにいつもはそれで勝ってたけど、中京でそれは怪しいって!

 嫌な予感そのままに、セラフィックコールは伸びあぐねて10着。レモンポップが心配をよそに1着になりました。

 念のためセラフィックコールが飛ぶこともケアした馬券でしたが、2着ウィルソンテソーロ、3着ドゥラエレーデのどちらも切ってたので完全に負けました。ウィルソンテソーロも出遅れて後ろからの競馬でしたが、ちゃんと内を通って前に迫っており、ナイスな騎乗だったように思います。

 

2歳GⅠ

 阪神JF朝日杯FSホープフルSとありましたが、うまくいったのは朝日杯だけでした。ジャンタルマンタル川田はマジで安心できる騎乗でした。それに加えてシュトラウスの暴走とエコロヴァルツの追い込みが対照的で、やっぱり武豊って上手いんやなぁと改めて感じました。

 また、阪神JFではボンドガールが、ホープフルSではゴンバデカーブースなどが出走を取り消しましたが、有力馬不在というのを感じさせないほどにはどのレースも見応えありました。

 特にホープフルSを勝ったレガレイラは牝馬でありながら皐月賞に向かう可能性が高いとのことで、来年のクラシック戦線がもうすでに楽しみです。

 

有馬記念

 イクイノックスが引退し、今年はもうジャパンカップより面白いレースは無いかなと思っていましたが、全然ありました。

 ジャパンカップからはスターズオンアース、ドウデュース、タイトルホルダーが参戦し、特にタイトルホルダーはこれが引退レースということで有終の美を飾れるかに注目が集まりました。それだけでなく、宝塚記念でイクイノックスに迫り、凱旋門賞でも4着と健闘したスルーセブンシーズ、春秋の天皇賞で存在感を示したジャスティンパレス、2021年の日本ダービー馬シャフリヤール、今年の皐月賞馬ソールオリエンス、ダービー馬タスティエーラも参戦し、これぞグランプリレースという豪華メンバーが揃いました。

 ここまでメンバーが揃ったら買うのは好きな馬だろうということで、スターズオンアースを本命にしようと思っていましたが、なんとゲートは大外8枠16番。有馬記念で16番は始まって以来1頭たりとも馬券内に来たことがないといういわくつきの枠番。さすがに悩みましたが、かつて16番でも4着に食い込んだマリアライトのように行ければ勝負できそう、鞍上は信頼のルメールということで、7番人気でも信じることにしました。

 そして迎えたスタート。その瞬間、一番外からスターズオンアースが抜け出して来て思わず声が出ました!マジで過去一の絶好スタートや!ジャパンカップの時も前の方に位置取って強かったので、ここで馬券内に来るとほぼ確信しました。

 また、タイトルホルダーは先頭に立っていつも通りの競馬をしていましたが、1番人気ジャスティンパレスや2番人気ドウデュースは最後方から。この両者にも重きを置いていたので若干ヒヤヒヤしながら見守っていたら、3コーナー手前でドウデュースが上がってくる!直線に入る頃にはもうスターズオンアースに並びかけており、そのまま勢いが落ちることなく前にいたタイトルホルダーも交わしてゴール!

 武豊も上手いしドウデュースも強いしで、さすがに文句なしの優勝でした。

 スターズオンアースは惜しくも2着でしたが16番だったことを考えるとこれは歴史的快挙。タイトルホルダーも3着と粘り、さすがの貫禄を示しました。

 ジャスティンパレスは惜しくも4着。3着だったら年内負け分の半分くらいは取り返せてたので、そこだけ悔しかったです。

 

収支報告

 というわけで、トータルした収支はこちら。

まあ、1年目はこんなもんじゃないでしょうか…。来年は少なくとも回収率80%以上を目指します。

 

終わりに

 長くなってしまいましたが、ここまでお読みいただきありがとうございます。

 来年は阪神競馬場改装のため宝塚記念が京都であったりするので現地観戦が増えるかも?

 また、ダート戦線も整備されて面白くなりそうなのでそこも気持ちあらたにやっていきたいですね。

 リバティアイランドも古馬になってどれだけやれるかも楽しみです。

 

 それでは、いい競馬ライフを!

 

 

 

 

 

 

北海道旅行に行ってきました

 北海道旅行に9人で行ってました。3/18~21で3泊4日の旅行、さすがに疲れもありましたが、それにも増して楽しかったです。今回、旅行の計画や準備を結構練れた手ごたえがあったので、実際行けた時の感動はひとしおでした。

 いい思い出は残したくなるもの。今回はちょっとした旅行記を書いていきます。

 

 

計画・準備

計画

 2021年には長野県の湯田中渋温泉に2回(3、12月)行きましたが、2022年は大きな旅行はなし。そろそろどっか行きたいなぁと思っていたところ、「余市蒸留所に行きたい」という話が上がり、行き先が北海道に決定しました(記憶曖昧ですが)。

 次にせっかく行くなら3泊じゃね?あとばんえい競馬見たくね?となって以下のような行程になりました。

 

1日目:出発、サッポロビール園、ホテルへ。

2日目:小樽&余市蒸留所。
3日目:レンタカーで十勝・帯広。ばんえい競馬観戦。

4日目:ちょっと札幌観光、帰路につく。

 

 完璧な計画です。

 

1週間前

 3日目にレンタカーに乗る予定を見て、ひらめきが舞い降りる。

 「共同プレイリスト作れば楽しいんじゃね?」

 Spotifyにて各人が好きな曲を好きなだけ入れる闇鍋プレイリストを作成。好きなだけ入れるということで人ごとに曲数の差もできましたが、それはそれで人ごとにレアリティが生まれ、TCGのパックを剝くような楽しさがあってよかったです。Spotifyに課金してない人でも作れたのも◎。セレンディピティのいい機会にもなりました。

 

 

前日

 旅行とはあまり関係ないですが、ちょうど3/17はシン・仮面ライダーの最速上映だったので観に行きました。本当は4人で行く予定でしたが、ところがぎっちょん、気遣いの行き違いにより8人で行くことに。思わぬ大人数での鑑賞になりましたが、お久しぶりな人に会えたり様々な視点での感想がその場で聴けたりできたのでそれはそれでよかったです。特にこの映画は人ごとに良し悪しの感想がバラつきそうな作品だったのでなおさら大人数でよかった。予約ミスり得ですね。

 

本番

1日目

関西国際空港

 JRで関西空港へ。遅刻リスクをケアして飛行機の出発は15時頃、集合をその2時間前に設定。余裕持ちすぎたかなとも思いましたが、機内持ち込み荷物の調整や昼食などの時間も必要だったのでちょうどよかった。

 僕は持っていく服を少し削ったので持ち込み荷物は規定内(2個、計7㎏まで)でしたが、普通に3泊4日の荷物を準備するとやはり超えます。受託手荷物用の課金は事前に1人分だけしていましたが、同行者の中にクソデカ鞄で来ていたのが1人いたのでそこに他の人の超えた分を入れることで噛み合いました。グループに1つはクソデカ鞄が必要ですね。

 黒ラベルを飲んで心だけ先に北海道にワープさせてる人もいましたが、いざ出発!!

 

新千歳空港

 17時頃。後到着組の待ち時間で早速空港を各自自由散策。旅行はもう始まっている。

 歩いていたらラーメン店が集まった場所があったので吸い寄せられるように入店。夕飯のジンギスカンは19時半。何も考えてないですね。旅行の高揚感は人を狂わせる。

けやき 新千歳空港

 先到着組7人の内5人はラーメン食べてました。残り2人はソフトクリーム。理性が残っていますね。

 その後、後到着組の2人と合流して札幌へバスで移動。この内の1人は関西在住でありながら、この日開催の東京の同人イベントに行くため朝7時に家を出たアチィ男。彼が「サミィ~~~」と言うぐらいには寒かったです。

 

札幌

 向かった先は”北海道”ビール園。

 この世にビール園はサッポロビール園以外にもありました。

 予約先が違っていたことには出発直前に気づきましたが、新たに予約しなおすことは叶わず。とはいえ、ビールを飲んでジンギスカンを食べれることには変わりないので何事もなかったように向かいました。むしろこっちの方が宿に近くてアドでした。予約ミスり得ですね。

 気を取り直して北海道限定のサッポロクラシックで乾杯!これが予想以上に美味。ビールって飲んでたらそのうち飽きが来るもんですが、それがなかった。ジンギスカンに合ってたのもあるかもしれませんが、とにかくうまかった。なんで北海道限定なんだ。

 そんなこんなで食べ飲み放題を楽しんだのち、宿まで徒歩移動。チェックイン後、翌日の予定を相談して、大浴場で移動の疲れを癒し、就寝。

 こうして1日目が終了しました。

 

2日目

 起床自信組6人は朝早めの列車で小樽の朝市へ。僕含め3人はぐっすり組だったので優雅にホテルの朝食バイキングを楽しんでから余市に直接向かいました。

 

余市蒸留所

 蒸留所のPV的なのを観たのち、設備の見学へ。創業時の設備なども残っていて歴史を感じました。蒸留のためのポットスチルにしめ縄がしてあったのが印象的でした。創業者の実家が日本酒の酒蔵だったこともあり、その慣習を取り入れているらしい。

 ポットスチルの窯に石炭を投入するシーンも都合よく見れてよかった。

余市蒸留所のポットスチル

 設備見学が終わると、レストランで昼食。竹鶴、余市の試飲付きでいい気分に。

 そして隣のお土産店で散財した後、ミュージアムにも行きました。竹鶴政孝の人生がじっくりと展示されていて、見応えがめちゃくちゃありました。有料試飲コーナーもあって、これがまた楽しかった。飲み比べて違いが多少でも分かるとテンション上がりますね。

 見学を終え、小樽に向かうべく再び余市駅へ。となりのお土産店に売っていたアップルパイが美味しかった。

 

小樽

 運河沿いに歩く。ルタオでお菓子を買い込んでから、小樽オルゴール堂へ。置物すべてがオルゴールで圧巻でした。50万円ぐらいのオルゴールもあって驚愕。閉店間際に行ったのであまり滞在はできませんでしたが、2時間ぐらいは余裕でいれそうなボリュームでした。また来た時にはいいオルゴール買いたいです。

 そして札幌に戻るため、今度は南小樽駅へ。コンビニの方が主張強くて面白かった。

 

札幌ら~めん共和国

 札幌に戻って、ビル10階のラーメン店集合エリアで各々好きなラーメンを食べる。焼豚の食べ応えが思った以上で腹の許容量を超えそうでしたが、なんとか耐えました。

吉山商店にて

 ホテルに戻ってしばらくしたらお腹に余裕が生まれたので、札幌すすきの発祥とされる”シメパフェ”をするため希望者は再び街へ。しかし、どこもかしこも時間外、並びすぎでパフェにはありつけず…。パフェを求めてガスト、ひいては全く関係なく一蘭吉野家に行こうとする心を落ち着かせ、敗北を受け入れてホテルに戻りました。

 

3日目

 7時前に起床。朝食を済ませ、8時にレンタカー2台を受け取り、最初の目的地、十勝アルプス牧場へ向かいました。BUMP OF CHICKENの「Hello,world!」を皮切りに、闇鍋プレイリストをシャッフルして流しながら──。交代しながら運転しましたが、自分が運転するときは終始ビビりっぱなしでした…。生きて帰ってこれてよかった。

 

十勝アルプス牧場

 駐車場にたどり着くと、仔牛と犬がお出迎え。しばらくすると係の方がやってきてアイスを購入。北海道の土地の雄大さが存分に味わえる場所でした。

犬、かわいかった。

遠くに山、一面の雪原。

 

とかち亭から帯広、六花亭帯広本店へ

 十勝平野を一望できる展望レストランで牛玉ステーキ丼を食べてから、競馬場のある帯広へ。この時競馬の勝ち方をChatGPTに聞いて、やめとけと言われた人もいました。

 時間にまだ余裕があったので六花亭に行ってお土産を買い込むとともに、喫茶スペースでおやつあるいは2回目の昼食。僕はイチゴジュースと、イチゴソースたっぷりのアイス、”焼き立ての”クロワッサンを頂きました。わざわざベルを鳴らしてクロワッサンが焼けたことを教えてくれるもんですから、これは頼むしかないですよね。

 

帯広競馬場

 レンタカーを乗り捨てで返却し、帯広競馬場へ。

 

 ばんえい競馬とは、馬が人の乗った重いそりを引き、山を2つ超えてその先のゴールにたどり着くまでの速さを競うものですが、普通の競馬と違って馬の動きがゆっくりなのでそれに合わせて観客も追いかけていけるのが印象的でした。山の手前で完全に停止して息を整える駆け引きも独特。競馬を現地で観ること自体今回が初でしたが、最後までどうなるかわからない展開にはハラハラしました。

 旅費を稼ぐ…とまでは行きませんでしたが、最終的な収支はプラスで終われました。投票して、レースを見届けて一喜一憂、悔しがる暇もなく次のレースを予想、投票…というループはなかなか楽しかった。競馬場に1日中いる人の気持ちが少し分かってしまいました。

 

 札幌に戻るため、19時ごろ帯広駅発のバスに乗る。所要時間は約4時間。道路に明かりはほとんどなく、反射材頼りでした。レンタカーを片道だけにしてよかった…。

 

えびそば一幻総本店

 23時ごろ時計台前でバスを降り、徒歩で一幻へ。競馬場ではいか焼きしか食べれなかったので、かなり遅めですがこれが夕飯になりました。

 えびおにぎりを頼もうと思ったら売り切れだったので味玉を追加。

そのまま えびしお 味玉追加



4日目

 旅行もいよいよ最終日。ギリギリまで睡眠し、締切少し前に朝食会場へ。朝食バイキングにはスープカレーや海鮮丼セットもあり、旅行中の3回とも楽しめました。

 チェックアウトは有難いことに遅めの11時。ゆっくりと帰り支度をしてからホテルを出ました。

 札幌駅のコインロッカーに荷物を預け、回転寿司を求めて歩き出す。たどり着いた先は2時間待ちだったので、さすがに諦めてとりあえず近くにあったサッポロビール博物館に行きました。

 

サッポロビール博物館

 ふらっと行った割には無料見学コースもあってお得でした。ビールを作るのに真剣だった人々のおかげで今があるんやなぁとなりました。有難い。

 ここでも当然のように有料試飲コーナーがあったので、展示もそこそこに直行。3種飲み比べ(240ml×3、黒ラベルサッポロクラシック開拓使麦酒)があって悩みましたが、さすがに多いかと思って開拓使麦酒だけにしました。

 ──一杯の儚さたるや。3種飲み比べで全然よかったです。

 

 見学が終わったあと、隣のショッピングセンターに寄りつつ札幌駅に戻りました。このショッピングセンターで旅行支援クーポンを使ってデュエマの箱を買ってる人もいました。

 

大丸札幌店

 昼食を求めて大丸へ。行く手前で『映画 中二病でも恋がしたい! -Take On Me-』の聖地巡礼をしている僕もいました。「防御力が120上がった。いやもうマジで!」のとこです。

 大丸の8階では寿司を食べました。やっぱり海近いとこに来たら海鮮は食べとかないといけませんね。

 ポケモンセンターをチラ見してから、電車で新千歳空港に向かいました。

 

新千歳空港

 18時半発の飛行機でしたが、空港に着いたのは16時半ごろ。さすがにへとへとであまり行動はできませんでしたが、夕張メロンのソフトクリームを食べ、ハスカップいろはすを買っていざ搭乗。

 あと3日欲しいぐらいの名残惜しさと、満足感にも似た疲れを関西に持ち帰る。

 

関西国際空港

 21時ごろに到着。ターンテーブルで荷物を受け取り、関西空港駅に移動していたらもう最寄り駅までの終電の時間に。これより遅い飛行機にしなくてよかった…。

 南海で帰る人、大阪で別の電車に乗る人、京都で降りる人…。それぞれの帰路につく。デオキシスの映画のエンディングを思い出したりなどしました。

 

帰宅

 日を跨いで帰宅。ちょっとブルアカしてから寝ました。

 日常に帰ってくる…。

 結局普段の布団が一番気持ちいいんですよね。

2022年のエンタメ振り返り

 今年も振り返りの季節がやってきました。去年は振り返り記事が年明けになってしまいましたが、今年は年内に書き上げられました。とはいえ今年はこの記事が実質最初で最後の記事です…。来年はもうちょい何かしら書きたいかも。

 というわけで本題へ。

 

 

アニメ

TVアニメ

 2022年に放送されたTVアニメから、7作品をピックアップして振り返ります。今年は質のいい作品が特に多かった印象です。

 

明日ちゃんのセーラー服

 2022年始まりからすごいのが来たな~と。アニメ的写実極めとる。教室の床のテクスチャとかリアルすぎてビビりました。

 1話で小路ができたてのセーラー服を着るとこが特に印象に残ってます。そりゃタイトルがセーラー服なりますね。”セーラー服の明日ちゃん”じゃないんですよね。

 OPだけでも引き込まれるものがあります。サビ冒頭でカーネーションっぽい花が映るのも母からの想いが感じられて好きです。ていうか『はじまりのセツナ』がめっちゃ好き。

 とんでもこだわりアニメーションでした。

 

スローループ

 きらら作品はいつだってありがたい。釣り系日常作品といえば一昨年に『放課後ていぼう日誌』がありましたが、それとはまた違ってフライフィッシングを扱っており、また、父親を亡くした後親が再婚して同い年の子と一緒に住むことになって…という展開から始まるのもオリジナリティがあります。

 釣りはひよりの亡きお父さんの趣味だったので、釣りに行くたび父の影がちらつくはず。それを忘れるでも引きずるでもなく、絶妙な距離感で想っているのが印象的。特殊な出会い方をしたひよりと小春が徐々に家族になっていくさまが丁寧に描かれていました。

 また、恋ちゃんも萌えポイントかなり高め。もふもふツインテ(たまにポニテ)ジト目八重歯落ち着き系低身長姉キャラはさすがに強すぎる。3話の「私が親を人間として見るようになったの、つい最近だよ」っていうセリフも大人びてて良すぎ。あと、OPの最後のカットに普段いないのに12話だけ出てきて声出ました。

 あと、10話の文化祭で『ぼっち・ざ・ろっく!』の結束バンドが映ってたのがきららポイントでした。『ぼっち・ざ・ろっく!』の方でも10話でひよりと小春のキーホルダーが登場しましたね。

 

ヒーラー・ガール

 2022年春は『SPY×FAMILY』、『かぐや様』3期、『まちカドまぞく』2期、『虹ヶ咲』2期、『パリピ孔明』などの強い作品が多く、埋もれがちだったオリジナルアニメです。

 歌で人を治癒できるという、音声医学をテーマにした作品。音声治療士、ヒーラーを目指す少女たちの物語ということで、試験のために勉強したり歌の練習をしたりといった、目標に向けた成長ストーリー的な部分もありながら、歌というテーマを存分に活かした、日常のワンシーンに差し込まれる形でのミュージカル的な部分もあり、この作品にしか出せない味をしっかりと出していたと思います。師弟関係の話も良かった。

 歌も本当によかったので、OPだけでも一聴の価値アリです。

 

リコリス・リコイル

 言わずもがな、今年かなり賑わったTVアニメじゃないでしょうか。女子高生に武器持たせるとカッコいいのはもちろん、バディものとしての側面、アドリブの利いた口語的な軽やかでテンポのいい演技も面白く、話数ごとに異なるこだわりイラストのアイキャッチもおしゃれで、OPのケツキックも話題になりました。個人的には欅坂46の衣装も手掛けたという尾内氏の制服デザインも印象的でした。

 そして、やはり外せないのがEDの『花の塔』。何かがひと段落したタイミングであのイントロが流れるだけですべて収まるのはズルい。11話でたきなが飛び込んでくるシーンでは最大火力を発揮していたように思います。

 オリジナルアニメでここまでやれてるのは素直にすごい。

 

よふかしのうた

 雰囲気良すぎアニメ。中二で初めての深夜徘徊、吸血鬼との出会い…という、危ないニオイがしつつ、それゆえどこかワクワクしてしまう感じがよく出てました。

 原作マンガがそもそもCreepy Nutsの同名曲(これがEDになっている)からタイトルを取ってきているということもあり、彼らがOPも担当でした。ヒップホップが主題歌になるということには新しさとアニソンの幅広さを感じます。OPの『堕天』は韻の固さもさることながら、タイトルが出たあとのウッドベースパートも好きです。

 キャラクターで特に印象に残ってるのはCV:沢城みゆきの探偵さん。吸血鬼を殺せる大人っていうだけでも緊張感のある存在です。血を吸わせるシーンで皮膚に浮き出る血管まで描かれてたのが印象的でした。

 中学生の時に観てたら大変なことになってたかもしれない。そんな作品でした。

 

ヤマノススメ Next Summit

 ザ・丁寧アニメーションの4期。前半4話までは3期までの振り返りで、後半から新作パートという構成なので、4期から観始めても話の流れはつかめると思います。

 山登りのアニメというだけあって自然の描写は綺麗で、キャラクターの動きも丁寧。その場の空気感、温度やにおいまでも伝わってくるような気がするほどです。話数ごとに異なるED映像も印象的でした。

 特に印象に残ってるのは最終話のワンシーン。あおいは富士登山にリベンジするも、軽めの高山病の疑いから大事をとって目的地よりも手前の山小屋にひなたと二人で宿泊することに。そこで晩ごはんを食べ終えた後の会話。

 

 ひなた「山に登るとさ、普段当たり前なものの有難みを感じるよね。ごはんとか、飲み物とか、雨風から守ってくれる小屋とか。歩きやすい道路とか。」

 あおい「───そうだね。」

 

 普段当たり前に思っているひなたの存在の有難みを感じている…!!となりました。

 また、OPも好きです。各キャラが山に向かうのを見送るアングルっていうサビの映像が特に良くて、キャラの性格や雰囲気を端的に表しつつ、観る側の没入感も高まるような感じがします。音階を上がって下がるイントロも山の形が感じられてgood。

 

 話は少しずれますが、この作品でキャラクターデザインを担当された松尾祐輔氏は同クールで『Do It Yourself!! -どぅー・いっと・ゆあせるふ-』でもキャラクターデザインをされており、これも相当な丁寧アニメーションでした。

 2022年秋はこのほかにも『機動戦士ガンダム 水星の魔女』、『アークナイツ』、『チェンソーマン』、『ブルーロック』などがあり、めちゃくちゃクオリティの高い作品が多かった印象を受けました。

 

ぼっち・ざ・ろっく!

 良作アニメが多かった2022年秋クールですが、『ぼっち・ざ・ろっく!』が覇権を取ったと個人的には思っています。絵良し歌良し話良しと三拍子そろった神アニメ。これを観ずして2022年は語れない。

 コミカルなキャラデザでありながらも、背景や楽器描写、ライブシーンといった写実的な部分への拘りも両立した画、実写や3Dをも用いた奇抜な遊び心のあるギャグ演出、贅沢かつカッコいいOP、複数ED、挿入歌…。陰キャがバンドをやる上での困難や挫折、それを乗り越えるアツい展開。バンドメンバー間での人間模様。原作を膨らませる脚本のさりげない巧さ…。いいところを挙げだしたらキリがない。こんなにもロックな作品が『ごちうさ』と同じ雑誌(まんがタイムきららMAX)に載っているとは思えないほどです。

 5話自販機のシーンの虹夏とかSTARRYライブ1曲目の緊張感とか、タイトル回収、そして文化祭など印象深い場面は多かったですが、ここから詳しく書き出すと振り返りどころではなくなるのでこの辺にしときます。早く2期(希望)やって欲しいです。

 

例の自販機見てきました。

 

劇場アニメ

 今年は引っ越したこともあり、映画館に行く機会が減ってしまってあんまり観れませんでした…。去年が暇すぎた&いい映画が多かった(『シンエヴァ』、『劇場版スタァライト』、『閃光のハサウェイ』…etc)だけかもしれませんが。

 ということで2022年のピックアップは3作品です。

 

RE:cycle of the PENGUINDRUM

 TVアニメ『輪るピングドラム』(2011年)の劇場版総集編(新作パートあり)です。

 この作品、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』を引用したり地下鉄サリン事件を思わせたりという風にかなりハイコンテクストな作品だという感じがあります。自分自身そのあたりのことには疎く、浅学を恥じ入るばかりではありますが、そこを拾えなくても印象には残る映画でした。

 「きっと何者かになれる」という言葉に10年の変化が詰まっていると感じます。どれだけ優しい言葉か。君のための愛が僕を僕たらしめる、のかもしれません。

 また、実際にあった出来事を匂わせるという点では後述する『すずめの戸締まり』にも通ずるものがあると言えるかもしれません。その意味で新作パートとして挿入された実写映像は現実感が増して特に印象的でした。

 余裕があったらまたTV版からじっくり観たいです。

 

映画『ゆるキャン△

 日常系の映画で成長後のオリジナルストーリーやるのすごすぎる。それでもしっかり『ゆるキャン△』の空気は変わらずあったように思います。

 一番印象に残ってるのはやっぱりリンとなでしこが山奥の温泉に行く一連のシーンですね~。カレーめんがお決まりのリンちゃん、なでしことの出会いや思い出を大事にしてそうでめっちゃいい。なでしこは新しい味に変えてますがそれはそれでいい。不易流行を感じますね。温泉での会話も、なんか二人が本当に大人になった感じがしてしっとりとしてしまいました。EDの『ミモザ』も沁みますね…。

 第3期の制作も決定しているそうで、まだまだ続くのは本当に嬉しい!

 

すずめの戸締まり

 『君の名は。』、『天気の子』の新海誠監督の最新作。

 圧倒的な映像美、背景美はやはり劇場映えして、そこは上記の2作品と変わらず楽しめましたが、東日本大震災に向き合った作品ということもあり、観終わった後は高揚感はそこそこに、どこか冷静な感情もあったような気がします。

 東日本大震災に限らず、何かしらの自然災害は残念ながら今も起こっていますが、自然災害による他者の不幸ってどういう感情を向けていいか本当にわからないんですよね。同情とか憐れみとかはありますが、結局自分はのうのうと生きているので…。映画では芹澤が東北の景色を見て「綺麗なもんだな」的な事を言い、それを受けて鈴芽は「これが、綺麗…?」という反応をしていました。正直ここで結構ギクっとしてしまう。こういうことも確かにあるので、特に被害のないこちらから被災者の人々を元気づけたり励ましたりというのは心情的になんか違うかもしれないという気持ちになりがちです…。

 今作で鈴芽は常世で過去の自分に椅子を渡し、「ちゃんと明日は来るよ」と伝えることで被災経験、母との別れにけじめをつけ、”戸締まり”して次の未来に”行ってきます”をしました。結局、被災経験を乗り越えられるのは被災者自身によってであり、その乗り越えを急かさずサポートすることが非被災者の取るべき行動なのかもしれません。その点で、東北まで車を出してくれた芹澤はいい奴だったと言えます。

 

その他

CloverWorksについて

 『その着せ替え人形は恋をする』、『明日ちゃんのセーラー服』、そして

『ぼっち・ざ・ろっく!』…。2022年、ここまで印象力のある作品を連発したアニメ屋さんはないんじゃないでしょうか。今年はCloverWorksの勢いが目立った年になったように思うので、このタイミングで少し触れておきたいと思います。

 CloverWorksは、A-1 Picturesから2018年10月に新設分割したアニメーション制作スタジオで、最初の作品は『スロウスタート』(この時はまだクレジットがA-1 Pictures表記)でした。続く『ダーリン・イン・ザ・フランキス』では後期OPからCloverWorksの表記が出てくるのでこの辺から正式にそうなったということでしょうか。そこから『ペルソナ5』、『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』、『約束のネバーランド』などを手掛け、オリジナル劇場アニメとして『空の青さを知る人よ』も制作。そして昨年の『ワンダーエッグ・プライオリティ』、『シャドーハウス』などを経て今に至ります。

 『ワンダーエッグ・プライオリティ』が特に顕著ですが、CloverWorksの特長はその写実性にあると思います。それは背景の書き込みや質感だけでなく、キャラの動きもそう。『ぼっち・ざ・ろっく!』ではライブシーンをモーションキャプチャーしてから手描きに起こしたという話もあり、アニメの写実表現に並々ならぬこだわりを感じます。さらに、作品にもよりますがそこにいい意味での「キモさ」があると言いますか、写実的とは言っても”整っている”という感じではなく、何かアニメ的な質感が宿っているような気がします。ふわっとしすぎな感想ですが、アニメ的リアリティ追及の狂気のようなもの故にそう感じるのかもしれません。

 また、高クオリティの割に作品供給も多いのがCloverWorksの良いところ。『青ブタ』の続編も決まっているのでこれからもまだまだ楽しみなアニメスタジオです。『ぼっち・ざ・ろっく!』も2期お願い致します。

 

2023年の展望

 今年は秋クールのアニメが特に良質ぞろいでしたが、そんな中でも『ぼっち・ざ・ろっく!』に全部持ってかれたという感じの展開でした。映画も、ここで挙げた以外に『ONE PIECE FILM RED』、『犬王』、『四畳半タイムマシンブルース』などがあって盛り上がった年だったように思います。

 そして来年は『プリンセス・プリンシパル Crown Handler 第3章』、『響け!ユーフォニアム』の特別編、さらに山田尚子監督(『けいおん!』、『平家物語』)の劇場アニメ『きみの色』(サイエンスSARU)などが予定されており、オタクとしては濃い年になりそうで楽しみです。この機会に山田監督の『聲の形』や『リズと青い鳥』を観返してみるのもよさそう。

 

 それでは、アニメの話はこの辺にして次はアニソンを振り返っていきましょう。

 

音楽

個人的2022ベストアニソン

 参考:アニソン大賞 | 令4年アニソン大賞

 例年通りやっていきます!今年のノミネートは73曲(+1曲)。入れたい曲多すぎる。

 埋め込みから聴く場合は音量注意です!

 

 

特別賞:-Across the line-(小鳥遊六花内田真礼))

 『小鳥遊六花・改~劇場版 中二病でも恋がしたい!~』のOP。

 Spotifyでの配信がなかったので上のプレイリストには残念ながら入っていませんが(これが+1曲)、この曲が今年の特別賞です。

 自分がオタクになるきっかけになったアニメ、『中二病でも恋がしたい!』の10周年記念イベントが今年あって、そこでこの曲を拾えたのが嬉しかったというのが理由です。

 この劇場版は1期の総集編的なもので、その1期では「不可視境界線」というものが重要な設定としてありました。中学時代に父を亡くすも、それはあまりにも急で、受け入れられなかった六花は不可視境界線を越えてこちらを見る父を”発見”する…。これが六花の中二病の始まりであり、不可視境界線を越えて父に再び会うのが目的となる。そして六花は勇太の助けもあって海で不可視境界線を…というのが1期でした。

 『-Across the line-』は、このことを踏まえたタイトルがまず偉くて、-(ハイフン)での表記演出もニクい。冒頭では水の効果音も入っていて完全に理解っている。「向こう側に連れていって」の後にサビが来るのもバッチリで、いい感じの溜めで「信じるほうが尊いなぁ」と来るのも凄く良い。中二病、そしてアイデンティティの尊さよ。

 改めて、このシリーズの歌全部を作詞作曲してるZAQさん本当に有難い。アーティストデビュー10周年おめでとうございます!

 

 また、内田真礼さんは『ぼっち・ざ・ろっく!』で虹夏ちゃんの姉・星歌役をされていて(『約ネバ』のノーマンの時も思いましたが低めの声もアド)、ZAQさんは『ギターと孤独と蒼い惑星』などの作詞を手掛けられていました。個人的にはこれも2022年の胸アツポイントです。

 

OP賞:やじるし→(ぽかぽかイオン)

 『スローループ』のOP。ぽかぽかイオンは声優の東山奈央さんと安野希世乃さんによるユニットです。この作品はひよりと小春が家族になっていくというのがテーマとしてあるので、そこに2人組の曲が来るのはハマっている。タイトルも関係性って感じがしていいですね。

 テンションが高すぎず低すぎず、丁度いいので何回でも聴けるタイプの曲でした。イントロだけで気分が程よく落ち着き、安心感があります。ハモリも気持ちいい!

 

 デュエット曲OPは他にも『ときめきランデヴー』(『まちカドまぞく』2期)や『想いのち晴れ』(『ヤマノススメNS』)がありました。キャラが歌うのもやっぱり好き。

 OP賞はだいたい例年決められないので単純に聴いた回数が多かったのを選びがちです。

 

ED賞:花の塔(さユり

 『リコリス・リコイル』のED。これは迷わず決まりました。EDとしての役割をこれほどまでに発揮した曲はなかなか無いですね~。イントロの終幕力(?)強すぎる!オタクが遊びに来た時、帰り際にこれ流すの一瞬流行りました。

 あと、サビで地味にキー上がってることにTVサイズで聴いてた時は気づきませんでした。フルで聴いた時、2番が始まる前に無理やり元のキーに戻っててビビり、2番のサビではキー上がらなくてビビりました。

 

 一昨年は『恋する小惑星』の『夜空』(鈴木みのり)をED賞にしましたが、やっぱりイントロで締めに入る系のEDは良いですね。

 

劇場作品主題歌賞:僕の存在証明(やくしまるえつこ

 『RE:cycle of the PENGUINDRUM』の主題歌。

 話の本筋にめちゃくちゃ寄り添った内容で、さらに言葉での遊び心もある歌詞(作詞:ティカ・αやくしまるえつこの別名義))を特に評価しました。冒頭の「ねえ神さま 僕を全部使って」でもう主題が表れてるし、サビ前の「それでも君が笑った 僕の存在証明」でタイトル回収しつつ、覚悟を決めた感じがサビに向かう勢いとめちゃくちゃマッチしてるし、最後の「その意地が間違いでも 一か罰(ばち)かでも」は韻を踏みつつ中二心をくすぐるワードチョイスで凄い。

 2番後に突然始まる讃美歌チックなCメロも世界観がある。去年も過去作賞で『ノルニル』を挙げあましたが、ここまで雰囲気のあるアニソンはそう無いです。

 

キャラクターソング賞:hem(福元幹(CV:斉藤朱夏))

 『明日ちゃんのセーラー服』の挿入歌。hemは英語で裾という意味です。Spotifyによると自分が今年1番聴いた曲らしい。OPの『はじまりのセツナ』もそうですが、杉山勝彦氏のメロディーがほんまに好きなんですよね。『ダーリン・イン・ザ・フランキス』のEDも杉山氏なので、それが好きな人は絶対好きです。また、乃木坂46の『制服のマネキン』も杉山氏作曲ということで、制服テーマのこのアニメに本当にハマっている。青春の危うさ儚さ切なさを表現させたら右に出る人いないと思ってます。

 サビ終わりの「夢のない世界に ひゅるり吹いたそよ風 揺れ動くスカートの 裾が綺麗だと思った」(作詞も杉山氏)もフェチ全開のいい歌詞です。

 

 この曲以外には、『ウマ娘』や『虹ヶ咲』2期の曲などが候補でした。特に『ときめきスクランブル』(マヤノトップガン(CV:星谷美緒))は歌い方がほんまに可愛くて好きです。あと、間奏が『ユメ語るよりユメ歌おう』(Aqours)のイントロと似てて笑いました(2曲とも作曲は同じ山口朗彦氏)。

 また、マヤノといえば『トップガン マーヴェリック』も今年の良作映画の一つでした。

 

周辺曲賞:モンダイナイトリッパー(名取さな)

 VTuberのオタクではないですが、Spotifyのサジェストで聴いてみたらいい曲だったので。こういう出会いも大事にしたい。

 作曲は『トンデモワンダーズ』のsasakure.UK氏。ゲーム的なサウンド、早めのテンポで電波的な歌詞、ハチャメチャ楽しい感じは同氏の味ですね~。

 ということで曲自体がそもそも良いんですが、歌い方、声色の使い方もめちゃ上手い。「うおお~っとキてシビれてブワってやっていく!」のとことか、「あれっ!体力(バッテリー)が足りないや!?」のとことか、素っぽい歌い方は萌えです。

 

 あとは『アスノヨゾラ哨戒班』(Leo/need)も今年よく聴きました。原曲はちょっと昔ですが、ボカロは全然通ったことがないので、過去の名曲をこうしてリアレンジ&カバーで知れるのは有難いです。

 

過去作賞:Re:Re:(ASIAN KUNG-FU GENERATION

 『僕だけがいない街』(2016年)を今年観て、いいOPだと思ったためこの曲を挙げましたが、ASIAN KUNG-FU GENERATIONは今年『四畳半タイムマシンブルース』の主題歌『出町柳パラレルユニバース』を担当したり、そして何より『ぼっち・ざ・ろっく!』では『転がる岩、君に朝が降る』(2008年)のカバーがあったりしたので、その意味でもここで取り上げました。

 『Re:Re:』は元々2004年(!?)のアルバム「ソルファ」に収録されていて、アニメのOPになるにあたって再レコーディングしたらしい。そんな2016年版はライブアレンジをフィーチャーしているらしく、フルで聴いてみたらイントロだけでアニメのOPが終わるレベルでビビりました。でもライブでこういうイントロで焦らされるの結構好き。”なんかベースから弾き始めたな~こんなイントロ知らんけど似た感じのやつあった気がするな~何やったっけ……もしかしてあれか…?あれ来るか!?ドキドキ(ここで印象的なギターが鳴る)!!あれじゃん!!うおおお~!!!”ってなるの好き。

 アジカン、これまではちらほらしか聴いてなかったですが、来年は全曲聴きたいです。

 

大賞:青春コンプレックス(結束バンド)

 『ぼっち・ざ・ろっく!』のOPです。本当はアルバム「結束バンド」の全曲と言いたいところですが、さすがに贔屓しすぎかなと思ったので代表してこの曲にしました。

 喜多ちゃんがまだ登場してなかった1話からOPは流れてたわけですが、登場したらしたでほんまに喜多ちゃんが歌ってんのか?となるほどカッコいい歌声ですよね。あの可愛い感じの声からこんなイケボになったらさすがにギャップでやられてしまいます…。長谷川育美さんすげ~~~~!

 ぼっちが弾いているということで、ギターもめちゃくちゃカッコいい。ぼっち役の青山吉能さんがこの曲のギターを練習するという公式の企画もありますが、上達が結構はっきり見えてすごい。僕も見習ってちょっとベース練習しました。

 内容も、「私 俯いてばかりだ それでいい 猫背のまま 虎になりたいから」という歌詞が陰キャの鬱屈した感情が牙をむく瞬間って感じがしてカッコいい。そんでこのCメロ後からキーが+1、そのあと「衝動的感情 吠えてみろ!」でさらに+1されるのも激アツ。

 この曲のライブシーンも観てみたいです。

 

 以上、個人的2022ベストアニソンでした!

 

終わりに

 ここまでお読みいただき、ありがとうございます。最後は恒例の回文で締めます。来年もどうぞよろしくお願い致します。よいお年を~~~!

 

  ”で、焼くか?”言うもガオガエン

  笑顔がもういかくやで。

 

 寅(?)年だったということで。

 

もうそこに列車が来る

 

2021年のエンタメ振り返り

 あけましておめでとうございます。年末に間に合わせようとしましたが無理でした。

 今回は、前回の記事で少しだけ言っていた、アニメとか音楽とかのエンタメ振り返り回です。年末に間に合わせようと急ぐ必要もなくなったので、じっくり書いていきます。長くなりそうなので、前置きはこの辺にして早速本題に入りたいと思います。

(気持ちはまだ追いついてないので文中の"今年"は2021年を指します)

 

 

アニメ

TVアニメ

 2021年に放送されたTVアニメから、8作品をセレクトして振り返っていきます。内容には適宜触れるので、一応ネタバレ注意です。

 

ゆるキャン△ Season2

 待ちに待った2期!土岐綾乃ちゃんも登場して盛り上がりました。出番が多いわけではありませんでしたが、確かな存在感を残していたように思います。

 個人的に印象に残ってるのは4話です。駅のホームで独り、リンちゃんのようにソロキャンをしてみようと思うシーンの間の取り方がすごくよかった。また、自分のバイト代で桜さんへのプレゼントを買うといういい話もあり、さらにEDも特殊演出で、なでしこが桜さんの車にこっそりプレゼントを置きに行く様子が描かれていました。

 放送時期と作品内時間を合わせるのも上手く、新年の話を作品と同じ空気を感じながら観られました。なでしこ&あおいの誕生日もちょうど放送日と合っていてびっくり。

 伊豆行きて~~~!映画も楽しみ!!!

 

無職転生 〜異世界行ったら本気だす〜

 ただの転生ものではなかったですね...。時々はさまる主人公のド下ネタは攻めてんな~って感じではありましたが、作画は圧倒的によく、戦闘シーンも迫力があって見ごたえ抜群でした。ストーリーも転生したての赤ちゃん時代から成長を追っていくスタイルで丁寧。観終った後に最初の方のルーデウスやエリスと見比べてみると思ってたより成長してて長い時間が経ったのだなぁと感じました。1クール目と2クール目の間が空いたのもあるかもしれませんが。

 また、OPも雰囲気に合わせて土地や状況によって変える演出がよかったです。OP用の映像ではなく、物語の場所を映すことで異世界の雰囲気をさらに深めていたように思います。

 

ウマ娘プリティーダービーSeason2

 かなりの激アツアニメ。今年を代表するアニメのひとつ。自分自身は競走馬については詳しくないのでアレですが、元ネタがかなりふんだんに存在するらしく、競馬ファンの人がめちゃくちゃ気づいてたような思い出があります。例えば11話のハロウィン回ではテイオーがたいやきを買う時に「カスケ…いやカスタード」と言ってたりしました(カスケードはマキバオーネタ)。

 このSeason2と同時にゲーム版もついにようやくリリースされました。5年前にうまぴょい伝説を知り合いのオタクが教えてくれた時にはそんなのあるんやな...って感じだったのが、今年で一気に誰もが知るコンテンツになりました。すごい。

 レースの時期や重要度などはアニメ初見時にはあまりわかってなかったので、ゲームをプレイしたあとならまた見方が変わるかもしれません。

 ちなみに好きなキャラソンマチカネフクキタルの『Lucky Comes True!』です。

 

ワンダーエッグ・プライオリティ

 これまで観てきた中で最もわからないアニメかもしれない。

 圧倒的リアルな作画で、迫るものはありましたが、話は決して明快というわけではなく、「なるほど、そういうことか!」とはいきませんでした。最後になったらわかるだろうという希望を持ちながら途中は観ていましたが、12話まで観てわからず絶望。そう思っていたら特別編が後々放送されることを知らされ、改めて希望を持って観てみたらなんと余計にわからなくなりました。読みというか、作品を理解しようとする姿勢が試されているのかもしれません。そういう意味では見ごたえというか歯ごたえはめちゃくちゃあると思います。また再チャレンジしてみたい作品。

 OPを観るだけでもかなり何かあると思ってしまうんですよね…。作画もそうですが、写真を使った演出や既存の合唱曲をOP曲に用いるあたり、リアルさの追求が本当に、怖いぐらいすごい。

 

86―エイティシックス―

 無人機で戦ってるので戦死者0人です!←86が操縦してるけど人ではないのでセーフ

 という世界の作品。ひっど...。1クール目はそんな世界に抗うレーナの話が印象に残ってます。86をちゃんと人として扱おうするレーナの姿勢が、半ば理想主義的な、あるいは幼い、そして偽善になりかねないものとして描かれていました。最初はもろい理想で、時になよなよしていたレーナがぐっと覚悟を決めるという1クール目でした。

 2クール目、最初に登場したレーナが打って変わって目つき変わっててシビれました。お嬢様な感じはもう無く、覚悟を持って、そして理想のためなら何でもやりそうな雰囲気に。銀髪に赤のインナーカラー入れてるし軍服は勝手に黒くするし。終盤は出番がなかったですが、再び登場するのが楽しみです。

 とはいえ2クール目はシンたちの戦いがメインでした。共和国を抜け出し、連邦に至ったシンたちは、一旦は”普通”の日常を過ごすが、結局は戦場に戻ることを自ら(!)決める。もうそれが彼らの望む生き方になっていたということが強調されていました。年内で終わらなかったのは少し心残りですが、その戦いが最後(最期?)どうなるかは気になるところです。

 あと、レーナの軍服はかなり萌えました。

 

オッドタクシー

 お、おもしれ~~~~~!!!ナイスミステリーってだけでもすごいのに、ナイステンポ会話にナイス関西弁までありかなり最強の作品。シナリオにしてやられる気持ちよさってありますよね。『GREAT PRETENDER』と似た感覚かもしれん。

 観るだけでかなり満足するので、ネタバレしてまで語るよりは、観たら面白いよ~とただ伝えたい気持ちの方が強いです。おすすめアニメ聞かれたらとりあえず雑に投げれる作品。

 

小林さんちのメイドラゴンS

 小林さんの現代人間感がすごいよかった印象です。優しいけどドライでもある。多様性を寛容に認めているような、それ故他者に関してある意味どうでもいいような価値観。「私そういう人間」というように人間は人間、私は私で分けた考え方。

 「異なるものとの調和」というテーマを感じましたが、それは異なるものを自分のものとすることではなく、あくまで異なったままで歩み寄ろうとする姿勢なのだと思います。種族、性別、価値観、言語など、異なる点はいくらでもあり、完全に分かり合うことはないかもしれない。けど、それをそれとしたままで尊重し、近づこうとするところに生まれる調和。

 こういった調和に価値を置くこと自体ひとつの考え方でしかなく、それは正しいかもしれないしそうじゃないかもしれない。あくまで「~と私は思う」とただ示すだけの考えは他者に対して何も言っていないようで、しかし「私」を「私」として、他と異なる「個」として示しており、それは「他者」をもその人として浮き彫りにする。あの人と私は違うがそれが私で、かつそれがあの人だ、というように。そんな本来性には価値があるはずだ、と私は思う。(なんか固い話になっちゃいました)

 

先輩がうざい後輩の話

 キュンキュンしたアニメ枠。武田―五十嵐ラインだけじゃなく、風間ー桜井ラインも強くて終始ニヤついてました。こういう動画工房ほんと好きなんすよね~。OPもキャラ萌えがギュッと詰め込まれていて最高でした。”笑っちゃえばニッと”のとことかいいですよね…。

 話は逸れますが、動画工房と言えば『ちいかわ』のアニメを今度やるらしいですね。こういう感じの作品がアニメ化されるのって結構新傾向な気がします。先輩がうざい後輩の話もTwitter発の作品だったりするので、そういう意味ではいい前例になったのかもしれません。

 

劇場アニメ

ジョゼと虎と魚たち
 公開は2020年ですが観たのは今年。恋愛もの大好きくんなので素直に大好きでした。つっけんどん関西弁ヒロイン(CV:清原果耶)が、小説の登場人物にちなんで自分をジョゼと呼ばせるのめちゃくちゃよくないですか?かなりグッときました。CV:宮本侑芽の負けヒロインもめっちゃ好き。Eveによる主題歌もよくて、2021序盤からいい映画観たな〜となりました。
 芥川賞作家・田辺聖子氏による1984年の短編が原作ですが、時代は現代に合わせてあり、古臭い感じはありませんでした。また、この作品は原作、実写映画(2003年)、今回のアニメ映画と三者三様の展開をしており、それぞれ結末も異なるという珍しい作品です。
 ヒロインのジョゼは車椅子に乗っているのですが、その障害に対する扱いがアニメ版では良くも悪くも理想的に描かれていたように思います。障害を取り巻く現実を考えればこういうハッピーエンドにはならないのではないか、という意味ですね。
 その点で、実写版は現実への向き合い方が非常に重く、アニメ版を観た後に実写版を観て落差に驚いてしまいました。原作が問いかけで、実写版が現実的な応答、アニメ版が理想的な応答、というように言えるかもしれません。
 「足が悪い人が車いすに乗るのは、目が悪い人がメガネをかけているのと同じくらいの感覚になっていくと思います。」という車椅子バスケ選手の話(↓)もありますが、その感覚に至るには、どういう意識をもつべきなのか。原作や実写版も含めて、考えさせる作品でした。
 
プリンセス・プリンシパル Crown Handler 第1章/第2章

 待望の続編がようやく来ました!キャスト変更やコロナ禍もあり、延びに延びましたが、一年で2章まで観れたのはよかったです。プリプリの雰囲気はアニメと変わらずそのままに、臨場感や迫力はマシマシだったので大満足でした。ガルパンと同じでいつ終わるのやらという感じではありますが、1話ごとのクオリティは文句なしなので結局許してしまうところがあります。交錯する思惑もドンパチ派手なアクションもあってスパイアクションとしてめちゃくちゃ楽しめる...!

 まだ全貌が明らかにはなっていませんが、王位継承まわりの話が進みそうな予感はあり、アンジェとプリンセスの本来の目的である「壁の無い世界」の実現に向けてどのような動きがあるのか楽しみです。1章で登場したビジョップのように、アンジェも追い詰められる展開があるかもしれませんね...。

 

ARIA The CREPUSCOLO/The BENEDIZIONE

 ありがとう、ARIA...。蒼のカーテンコールもついにフィナーレでした。個人的にアニメを観たのは去年でしたが、アニメ1期は2005年(!)で、そう考えると非常に歴史のある作品です。

 The CREPUSCOLOはオレンジぷらねっとまわりのお話で、個人的に一番好きな話(『ARIA The ORIGINATION』第9話「その オレンジの風につつまれて…」)の掘り下げがあったのがめちゃくちゃ嬉しかったです。アテナ先輩の後輩だったアリスがアーニャの先輩になっており、そういう継承の雰囲気も好きです。みんな大人になっていくんですね...。

 The BENEDIZIONEは姫屋まわりのお話。これまでなかった藍華のプリマ昇格試験が描かれていました。「ウンディーネの伝統にではなく、晃さんに認めてもらいたい」というところには、藍華藍華として頑張っていこうとする強さが表れていました。

 また、姫屋は水先案内業界の中で最古ということもあり、その伝統や歴史の象徴として姫屋に代々伝わるゴンドラが登場しましたが、それに『ARIA』という歴史ある作品自体が重なって見えました。歴史に幕を閉じるものの、そこに込められた思いは残っていく。敬意と感謝を表しこそすれ、それに縛られることはないというものとしての伝統...。

 その 大好きなあなたとの明日へ...

 恥ずかしいセリフ禁止

 

シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇

 2021年を語るうえで外せない作品。旧世紀版から25年(!!)、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』から数えても14年の年月を経て、ついに完結しました。時代の転換点のひとつを目撃したかもしれません。

 1月にリバイバルで上映されていた旧劇エヴァを観て3月のシンエヴァに臨めたのはだいぶ大きかったと思います。あの結末と比較すると、今作でのシンジはかなり大人になったんだな、とはっきり感じます。たまっていた膿を全部抜ききったような、あのふっとした雰囲気。「なんでみんな、こんなに優しいんだよ」と苦しみつつも他者の優しさを認められているところには、旧劇との大きな違いがあります。

 本当に綺麗に終わりましたね...。

 プロフェッショナルの特別版が放送されたのも印象的でした。これを観るとアイハブノーアイデアの状態からよく完成したな...と思わされます。

 エヴァが完結したとはいえ、来年は『シン・ウルトラマン』、再来年は『シン・仮面ライダー 』もあるので、これからもまだまだ楽しみは尽きません。

 

劇場版 少女☆歌劇レヴュースタァライト

 2021年を語るうえで外せない作品Part2。TV版、再生産総集編ときて今回の劇場版です。”劇場”で観る映画はやっぱり最高だと改めて感じさせてくれる作品でした。コロナ禍ということもあって映像作品を配信で観ることが多くなりはしましたが、それでも劇場で観るという体験には替え難い価値があるように思います。

 この作品についてはちょっとした記事(↓)を書いたので、ここではさらっと振り返るだけにしたいと思います。

liartrail.hatenablog.com

 

 なにが凄いって...凄いですよね(語彙力)。圧倒。

 

機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ

 ハロウィンのカボチャを見るたびに思い出す。ガンダムの知識ゼロで観に行きましたが、そんなに困ることは無く楽しめました。単純に映像いいしガンダムカッコいいので。市街戦とか、ガンダムのデカさや危険さが臨場感と迫力たっぷりで感じられてよかったです。

 ハサウェイの意識高い(系?)感がめっちゃにじみ出てたように思います。考えるテーマが重要なのはわかりますが、少し向こう見ずと言うか、理想を追いすぎなところがあるように見えます。そのあたりをタクシーの運転手に「暇なんじゃない?」とたしなめられるシーンが印象的でした。テーマが大きすぎるので仕方ない部分もあるか。

 三部作らしいので続きも楽しみです。

 

サマーゴースト

 40分という短編の映画ではありますが、しっかり見応えのある作品でした。イラストレーターloundraw氏の初監督作品ということで、普通の映画とは少し違ったテイストです。シーンごとの印象力というか、絵で魅せようという気概がすごく感じられました。

 花火をすると姿を現す幽霊、というだけでもかなり儚みがあって好みでした...。予告だけでも絵の感じは伝わると思うので置いておきます。

 ちなみに京都ではまだ観れるらしいです。(1月13日現在)

 

その他

ポケモン関連

 『ポケットモンスター ココ 』を今年観ましたが、公開は去年なので結局今年公開のポケモン映画はありませんでした。残念...。その代わり(?)今年はポケモン Kids TVのアニメ・POKÉTOONがいろいろ供給され、それが結構上質だったので驚きました。ココではポケモンと人間の境界が意識され、両者の関わり合いや絆がテーマとして丁寧に扱われていましたが、POKÉTOONでもそれは同様で、ポケモンの世界観の良さを改めて感じました。ポケモンとの”生活”感がはっきりと伝わってくる...。

 僕もマグマッグの暖炉で暖まりたいです。

 

2022年の展望

 こうしてみると結構2021年の展開すごかったなと思います。ここで取り上げた作品のほかにも、『ラブライブ!スーパースター!!』や、きんモザの映画、『竜とそばかすの姫』などがあり、ランドマーク的な年になりました。

 しかし2022年は、『ぼっち・ざ・ろっく!』や虹ヶ咲の2期、映画『ゆるキャン△』、そして新海誠監督の新作『すずめの戸締り』などが予定されており、2021年にもパワー負けしなさそうで今から相当楽しみです。

 それでは、アニメの話はこの辺にして次は音楽の振り返りにいきたいと思います。とはいえアニソンの話が主ですが。

 

音楽

個人的2021ベストアニソン

 自分の中の最強曲を決めるのはやっぱり楽しい。今年も令和3年アニソン大賞(↓)があったので、それを参考にしつつ、去年と同じように勝手な部門分けで最強を決めていきたいと思います。

アニソン大賞 | 令和3年アニソン大賞

 去年はノミネート曲も書きましたが、全部書くと長くなるのでそれは以下のプレイリストで確認いただければと思います。各賞の曲の下にその賞の候補曲が続きます。聴く場合は音量注意です!

 

特別賞:One Last Kiss(宇多田ヒカル

 言葉通り特別だと思ったので。25年の重みにはさすがに勝てない。この曲は他のアニソンと同じように扱うよりは、殿堂入りみたいな気持ちで特別賞にするのがいいと判断しました。

 この歌に関しては、”吹いていった風の後を追いかけた眩しい午後”という最後の歌詞が特に強く印象に残ってます。完璧すぎて………。

 

OP賞:巣立ちの歌(アネモネリア)

 曲自体は既存ですが、『ワンダーエッグ・プライオリティ』のOP。OP映像と相まってかなりしてやられたと感じた一曲。合唱卒業ソングってだけでだいぶ文脈力があってヤバいんですよね~。2話の「先生さようなら!」のセリフもあって凄かった。

 アネモネリアによるED『Life is サイダー』、キャラソン『anemos』もよかったので是非聴いてみて欲しいです。アニメ本編は分からなさ過ぎておすすめするにはハードルが高すぎますが。

 

ED賞:はるのとなり(佐々木恵梨)

 『ゆるキャン△ Season2』のED。”少し寂しくて暖かい旅の終わり”って歌詞いいですよね…。ゆるキャン△を観終ってもこのEDが毎週あるおかげで、さみしいもたのしい...と思うことができます。

 1期と2期ともに季節は冬で、だからこそソロキャンの孤独感が際立った感じがありました。EDも冬を感じさせるシンプルな雰囲気でしたが、今後季節が春になって暖かくなってきたらどんな感じになるのか。映画の内容等はまだわかりませんが、そういう点でも続きが楽しみです。

 

 ちなみに、『ささやかな祈り』(ライスシャワー(CV:石見舞菜香))とかなり悩みました。最後の”もう泣かないよ”の涙を堪えてる感が絶妙...!

 

劇場作品主題歌賞:私たちはもう舞台の上(スタァライト九九組)

 舞台少女たちにとっての卒業ソングなのかもしれません。

 舞台というかお芝居での演技って、「演技していないように見せる」のが目標だと言えると思います。その意味で、

  ”折り目をつけた台本には 新しいことは何もなくて

  台詞はとうに馴染んでるから 閉じてしまってもいっか”

という歌詞(作詞:中村彼方)からは、役としての自己と演者としての自己の一致が読み取れます。これを以って、文字通り”私は私として”人生という舞台を演っていこう、進んでいこうと覚悟する。それが舞台少女か。

 

キャラクターソング賞:Never Looking Back(ウマ娘

 (アーティスト名書くと長すぎるので省略しました。すみません。)

 ウマ娘のHalf Anniversaryの曲。数あるウマ娘の曲の中でなぜこの曲かと言うと、個人的に試験の時のテーマ曲にしていたからです。ちなみに卒論の時のテーマ曲は『winning the soul』でした。

 それは置いといて、単純にゲームでのライブの映像がすごくよかったというのもあります。カメラワークもいいし、サビ前等のキメで挟まるアップのカットもカッコよくて好きです。3Dってここまでよくなってるんですね...。

 また、何かしらのアニバーサリーってあれから何年か~と振り返るものですが、そこで敢えて、”振り向かず未来へ”と歌うのはすごく強気ですよね。かなり気合を感じる。

 

周辺曲賞:メロンソーダ・フロート(中島愛

 全体的に好きですが、特に歌詞(作詞:児玉雨子)が大好きです。失恋のモチーフでメロンソーダ・フロートを持ってくるのがまずおしゃれ。恋と言えば、甘くて苦いでチョコとかに行きがちなところを、甘くて痛いメロンソーダに行く。それで、想いが溢れそうなのもフロートで、流れる涙もグラスの滴で表現できとる…!

 1番ラストの”片目で追っていた”を2回繰り返すのも無力感みたいなのがあるし、”シュワシュワ ピリ キュン”が”ピリピリ シュワ キュン”になるのも、物語の流れがオノマトペで感覚的に感じられて好きです。

 普段歌聴くときって正直そこまで歌詞追えなかったりしますが、オノマトペって聴くだけですっと感じが伝わるのがいいですよね。聴いてよし、読んでよしのいい歌詞だ...。

 

過去作賞:ノルニル(やくしまるえつこメトロオーケストラ)

 『輪るピングドラム』のOP。再放送でやっていたので観始めました。監督の幾原邦彦氏は『少女歌劇☆レヴュースタァライト』の監督、古川知宏氏の師匠らしく、変身バンクのこだわりや地下鉄とかは確かにそれっぽいなと思うところがあります。しかしこの作品、地下鉄に凄い意味をのせてきたので驚きました。そんなことしていいんすね...。

 曲もアニソンらしからぬ、かなり尖った曲だという印象です。OP映像で言うと、最後の”もうすぐ君が会いに来るような”の直前のピアノが好き。

 来年はリメイク(?)の映画もやるらしいので、そういう意味も含めて過去作賞はこの曲にしました。『輪るピングドラム』10周年と劇場版スタァライトが同じ年になったというのも何か縁を感じますね。

 

大賞:愛のシュプリーム!(fhána)

 『小林さんちのメイドラゴンS』のOP。1期の『青空のラプソディ』もすごくいい曲だったのに、そのハードルを越えてきました。まさかkevinさんも歌ってしかもラップが来るなんて...。

 普段のfhánaにはない男性の声とラップは、ともすれば違和感になってしまうところですが、それを上手くまとめているのはさすがでした。これはメイドラゴンの「異なるものとの調和」というテーマにも通じるところがあります。

 あと、ちょっと邪ですが、MVで佐藤さんのダンスがそこまで上手くないのも逆によかった。”爪なんてなくていいのさ 空なんか飛べなくていいのさ”ということで、ダンスなんか上手くなくてもいいのさと身をもって示しているのかもしれません。というか作曲出来てるのでそれで充分。

 fhána結成10周年おめでとうございますという意味でも、この曲を大賞にしました。去年も同じノリで東山奈央さん声優活動10周年を祝った気がします。

 

 以上、個人的2021ベストアニソンでした!

 

日記:卒業

 自分自身が大学を卒業したために色眼鏡で見えているだけかもしれませんが、今年は卒業、あるいは完結する作品が目立ったように思います。シンエヴァや劇場版スタァライトARIAがそうですが、ほかには『のんのんびより』、きらら系だけでも『Aチャンネル』(去年末)、『きんいろモザイク』( Best wishes.と映画)、『がっこうぐらし!~おたより~』、『NEW GAME!』、『ステラのまほう』などが完結しました。自分が知らないだけで毎年色んな作品が完結してるとは思いますが、それにしても今年の完結作品は多かった印象があります。

 何か理由が…?というのは分からないし考えても仕方ない気もしますが、ひとつの節目のようなものは勝手に、確かに感じています。生前退位によって年号が令和に変わり3年、コロナ禍によって生活にも変化がありました。東京オリンピックも何とか終わり、Colorfulをテーマにした紅白歌合戦の司会は紅白で分けずに”司会”という呼称で統一されました。

 

 大げさですけど、時代の動きを感じた年でした。

 来年はどんな一年になるんでしょうか。

 楽しみも不安もありますが、「変わらないために変わって」いけたらと思います。

 

 ありがとう、そしてさようなら2021。

 行こう、2022。

 

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2021.12.26 長野にて

 

 

2021年の出来事

 ついに雪の降る季節になってまいりましたが、いかがお過ごしでしょうか。

 2021年、もう終わるらしいです。はやいですね~~~。というわけで今回は振り返り記事です。今年は劇場版スタァライトのやつだけしか記事が書けませんでしたが、そろそろやるべきことも落ち着いてきたので振り返りはちゃんとやっていきたいと思います。いつもだったらアニメとかの話(この記事の後に書きたいです)だけしかしませんが、今年は個人的に変化のあった年なので、ライフログ的な趣で近況報告も含めて出来事を振り返っていきます。

 

1月

 ひたすら卒論と格闘していた思い出。パソコンを立ち上げてWordに向かう前のルーチンとして、おちフル6話のブルーの爽快がめちゃShiny!とウマ娘2期1話のwinning the soulのライブシーンを延々とループしてました。どんだけ卒論に向き合いたくなかったんだ…。考えながら書いてたと言うのもあり、書くぞ~と向かっても見かけ進捗0みたいなのがザラだったので結構しんどかったからかもしれません。結局完成したのも締め切り2時間前とかでした。完成してから提出するまでも、専用の表紙が手元になかったり印刷する部数を間違えたりして大変でした。同じ学部のサークル同期がいなかったらヤバかったです(ありがとう)。教授とはこまめに連絡を取りましょう。

 

 卒論を提出した後はそこそこ気楽でしたが、内容はまぁお恥ずかしいものだったので己の無力さを知った虚無感的なものもありました(学部の卒論とはそういうものなのかもしれませんが)。そんな気持ちの時に旧劇エヴァリバイバルで観たので情緒が変なことになったりもしました。気分が沈みがちの時に観る映画って妙に沁みますよね。

 

2月

 口頭試問でボコボコにされたらもう後はつらいタスクはなかったので本当に気楽になりました。用事で東京に行くことがあったのでついでにお台場に行って虹ヶ咲の聖地巡礼をしました。風が激つよのレインボーブリッジを徒歩で渡ったのはいい思い出です。

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風が強すぎて片側は封鎖されてました

 この時期ぐらいから次の進路目標を医学部編入に決めました。気持ち自体は就活中から微妙に湧いてました(そのための高校生時代の理系選択)が、ここでようやく決心がついたという感じです。

 

3月

 2021.3.8 シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇 公開

 今年の一大イベントでしたね...。絶対にネタバレされたくなかったので公開初日に行きましたが、観た人みんな口が固くてネタバレどころか話題にすら上がりにくくなってしまうという現象がありました。プロフェッショナル特別版の放送ぐらいでようやく話してもいいかという雰囲気になった思い出です。

 延期に次ぐ延期でしたが、大学卒業というぴったりのタイミングでこの映画を観れてよかったなぁと思います。全てを終わらせ、次の一歩を踏み出す物語。

 旧劇エヴァの記憶が残ってる状態で観れたのもだいぶよかったです。

 

 卒業式の前には長野県の渋温泉へ旅行に行ったり、追いコンとしてPJCS2019ルールでポケモンカードをしたりしました。やっぱり旅行って楽しいですね...。今となってはもはや懐かしいですが、ポケカのCLで遠征するのも楽しかったなぁとしみじみしてしまいました。ポケモンカードを通して出会った人たちのとの繋がりが今の交友関係の大半ですし、大学生活で得られたもっとも大きいものはこれだと思います。この大学、この学部、このサークルを選んで本当によかった。ありがとうございます。

 

4月

 学生という肩書きを失い、無職としての生活が始まりました......。アルバイトは続けてましたが。時間があるという無職の強みを活かして編入試験に向けコソ勉を開始。

 

 鴨川デルタで花見したりしました。

 

5月

 GWにポケカドラフトをしたり、ちょっと遊びました。

 下旬に何故か雨漏りがあったりもしました。

 ほか、特に記すべき事項無し。

 

6月

 2021.6.4 劇場版 少女☆歌劇レヴュースタァライト 公開

 今年の一大イベント2。冒頭のトマト(回文)からもう最高でした。正直ここまですごいのが出てくるとは思ってなかったのでびっくりしました。圧倒的パッションと激唱と映像の暴力。たまんねぇっす~~~!

 

 このころ、Qの前日譚の小冊子が配布されるということでシンエヴァをもう一回観に行ったりもしました。そのあと食べたつけ麺(すがり 新店舗)が異常に美味しかった記憶が何故か残ってます。

 

7月

 オタクにTV版スタァライトを見せたり、ポケカドラフトでアメイジングサージしてガハハしたりしました。劇場版スタァライトの記事を書いたのもこの月です。気が付けば劇場版は4回観てました。4回目でもワクワクが薄くなってなかったのがすごいところです。

 

8月

 台風にもかかわらず来てくれた先輩方と旧裏ポケカをしたりしました(ありがとうございます)。そのときに在住6年目にしてようやく近くの喫茶店のモーニングを食べに行ったりもしました。近所にはまだ未開拓なお店が残ってますが、ひとりで行くのはちょっと緊張するのでしょうがない。あと、せめて引っ越すまでには敷居が高そうなお茶漬け屋さん(一回間違えて入って気まずかった)にリベンジしたいです。

 

9月

 コソ勉がいよいよ佳境を迎えてきました。グランピングに行く約束をしてたんですが、泣く泣くキャンセル...。来年は行きたいです!

 

 下旬に大学①の一次試験(物化生、英語の2科目マーク式)がありました。大学受験時代なら解けてたであろう問題に苦戦してブランクを感じました...。

 

10月

 大学①の1週間後に大学②の一次試験がありました。受験のついでにエヴァに造詣が深い友人とシンエヴァに登場した宇部新川駅に行ってきました。もし大学②に行くことになってたら宇部新川が最寄り駅だったと思うとなんだか不思議な気持ちです。今年観た映画の聖地に、偶然にも受験という用事で訪れることになるとは...。縁を感じます。

 

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 奇しくも受験と同じ日に、サークルの先輩がポケカの大会で優勝してました。本当にめでたい!!!

 

 下旬には大学①の二次試験(小論文×2、面接)がありました。面接には幾度となく辛酸をなめさせられてきましたが、待ち時間が結構長めだったので脳内リハーサルができてよかったです。まくとぅそーけーなんくるないさ

 

11月

 大学①の二次試験を受けてから発表まで2週間ぐらいあったのでふとした瞬間にどぎまぎしてました。この時期に合否を気にしても本当にしょうがないんですけど、一回気になりだすと全然落ち着かないんですよね…。寝床についてから眠るまでの空白時間が本当に難儀でした。脳内がうるさくてなかなか寝れない。寝れてもこの僕が朝5時に目が開くぐらいでした。睡眠導入ASMRがなかったらヤバかったかもしれません。

 そんなこんなで中旬に合格発表がありました。バイトの最中だったんですが、店長「結果いつわかるん?」→僕「今日です...。」→店長「見よや!」ということでその場で確認。それで受かってたので思わず声が出てしまいました(お客さんのいないタイミング)。落ちてたらどうする気だったんでしょうね。さ~すがに緊張しました。

 というわけで肩の荷が下り、次の下宿を探したり書類を書いたりしてました。

 

 大学②の二次試験は辞退して、それからごちうさ展に行ったり、親戚の用事で熱海・江の島、そのついでに鎌倉・東京に行き、東京タワーに登ったり庵野秀明展に行ったりしました。突然イベント満載です。

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12月

 サークルの先輩方と初代ラブライブを観たり、そのついでに忘年会したりしました。

 2021年、いい年だった!

 

 年末は3月に行った渋温泉にまた行く予定です(行き過ぎ?)。


最後に

 というわけで、2021年は卒業、受験勉強、合格が全部1年で起こった変化の年でした。オタク活動としてはいつも通りのような気もしますが...。これからも関西住みではあるので、会える人はまた何かしらで会いましょう!引き続きよろしくお願いします。

 

 それでは、最後は恒例の回文で締めたいと思います。12月21日は回文の日なので(日付またいでしまいましたが...)。

 ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

 

  なんで鳴くん?樽見て。

  ミルタンク ”撫でんな”

 

 丑年だったということで。

 

劇場版 少女☆歌劇レヴュースタァライト

 れいるです。今回は、劇場版 少女☆歌劇レヴュースタァライトを観劇して気持ちが昂ったので、何かしら書いていきたいと思います。

 

 とはいえこの作品、オタクの好きを全力で詰め込んだようなもので、それに圧倒されて単純に感想を言おうとするとあらゆる要素に対して「いい…」とか「好きだ…」としか言えなくなってしまいます。大迫力のレヴュー連打で感情を揺さぶられて文字通りエモの塊になってしまう。これがこの作品のいいところであり、またある意味「わかりやすい」部分だと思いますが、同時に少し「わかりにくい」部分もあります。めちゃくちゃな、そして色々なモチーフがそれです。トマトだったり、東京タワーだったり、キリンだったり...。これらが「わかりにくい」のは、何かを象徴しているのは感覚的にわかるが、その何かを具体的に考え出すと難しく、またレヴューのスピード感に飲まれて考える暇もないからでしょうか。最初に弾けるトマトを見て「何か死んだ?」みたいなことを感覚的にはわかるが、その何かは少し考えないとわからない。これが感覚的理解と論理的理解の差…?わかります(わかってない)。

 

 というわけで、ここでは劇場版スタァライト(以下、劇場版)において、少し考える必要がありそうだなと思ったことを落ち着いて考えていきたいと思います。

 言うまでもないですがネタバレありです。

 

 

 舞台少女と観客

 劇場版終盤、愛城華恋はこっちを見て言います。「誰かに見られてる?」

 これ、レヴュースタァライトだから、「舞台」をテーマにしているからこそ言えるセリフだと感じられてめっちゃ好きなんですよね。TV版でもキリンが見てきましたが、舞台って本来そうだよなと思わされる。同じ空間に役者がいて、観客がいる。見られている意識で役者は演じ、役者が歌えば観客が手拍子で応えるということさえもある。実際の舞台では、役者がいて観客がいるというこの関係と見る―見られるの意識は当たり前のこととして受け入れられるが、アニメではこれは当たり前ではない。だからこそ、このセリフと視線は違和感とともに「舞台とはこういうものだ」というメッセージを突き付けてくる。そして、この意識が、愛城華恋を真の意味で「少女☆歌劇レヴュースタァライト」の舞台少女にした。「演じ切っちゃった。レヴュースタァライトを…。」とこちらを見て言うところにこのことが象徴されていると考えられる。

 「少女☆歌劇レヴュースタァライト」の舞台少女であるということはどういうことか。次はこれを天堂真矢の”This isキャンセル”を用いて考えてみます。

 

天堂真矢の”This isキャンセル”

 これ、もはや笑える方向で面白かったので印象に残っている人は多いと思います。ですが、そういえば何でキャンセルされたかわからなくないですか?クロディーヌズルくね?「捻じ曲げるのか?!舞台の理を!!!」と真矢がキレるのも然り。

 自分なりに考えてみた結果、ポジションゼロは本来「少女☆歌劇レヴュースタァライト」のレヴューで出てくるものだから、この時点ではポジションゼロ宣言できない、という解釈になりました。

 この解釈の根拠は、真矢クロのレヴューの時に何故か「ACT/~~」というサブタイトルが入っていたことです。真矢がThis isをしようとした時点はACTの終わりではあったが、「少女☆歌劇レヴュースタァライト」のレヴュー、つまり”~~のレヴュー”で表記されるレヴューじゃなかったために、本来のポジションゼロはなかった。だから”This is”キャンセルが起こったということです。そして、続く「魂のレヴュー」で天堂真矢が感情をむき出しにして戦い、はじめて決着がつく。

 そういえば、劇場版で”~~のレヴュー”と表記されるのは舞台少女がちゃんと上掛けを着ている時だけだったような気がします。そういうわけで、”~~のレヴュー”こそが真の意味で「少女☆歌劇レヴュースタァライト」のレヴューであり、これこそキリンが、そして私たち観客が観たかった感情vs感情のレヴューであると言えます(以下、「レヴュー」)。

 

 これを踏まえると、劇場版におけるトマトの意味も少しわかってきます。

 

トマトについて

 最初の最初で突然弾け、大きな印象を刻んだトマト。エデンの果実という説もあるトマト。花言葉は完成美、感謝。そして回文。野菜化し、燃料として燃えていったキリンのことを考えると、やはりトマトは観客から舞台少女への燃料、血肉の象徴だと言えます(※劇場版パンフレットのインタビューも参照)。一度死んだ舞台少女はトマトを喰らい、次々とエネルギーにみちた「レヴュー」を展開していく…。愛城華恋以外。

 愛城華恋だけ、トマトを食べずに「レヴュー」の舞台に上がっています。トマトに背を向けてひかりと話すシーンもありました。トマトを食べていないので真の意味で「少女☆歌劇レヴュースタァライト」の舞台少女ではなく、だから一度死に、再生産する必要があった。その際の燃料はひかりからの手紙などの思い出だった。最後には、二人の約束の象徴である東京タワーさえもへし折ってポジションゼロを決める。

 「演じ切っちゃった。レヴュースタァライトを…。」

 そしてひかりからトマトを受け取り、向かう。次の舞台へ。

 

大場なな

 皆殺しのレヴュー、ヤバすぎ・・・!!!TV版、ロロロに続いてここでも圧倒的存在感でやってくれました...。でも狩りのレヴューで純那に負けちゃうんですよね~~~。その下剋上がいい。レヴュー曲「ペン:力:刀」っていうタイトルも好きです。純那が圧倒的チカラである大場ななから短刀を奪い、それをペンとして、武器として己の言葉を紡いで勝利するという展開がここに全部表れてます。これがペンは剣よりも強しか。

 というのはさておき、ここで大場ななを挙げたのは、トマトの話と若干関連すると思ったからです。劇場版で彼女は「バナナプリン、バナナマフィン、バナナンシェ。いっぱい食べてもらったな...。それでもみんな飢えて渇いて・・・」みたいなことを言います。ここにおけるバナナのお菓子がトマトに相当し、「レヴュー」を望む私たちののように、大場ななも彼女らに再演を望んでいたのだということを象徴しているようにも思えます。皆殺しのレヴューで訳知り顔に「だからオーディションじゃないって」と言ったり、決起集会の塔の裏でこっちを見てきたり、チョコバナナのスマホケースがキリンの配色だったりするので、やっぱり他の舞台少女と違って一段メタい存在であるような感じがしますね…。最強の風格。強いお酒を飲んだみたい。

 

TV版のシクラメン

 劇場版の話からは少し外れますが、聖翔大劇場の前にある↓の花です。画像は12話の最後らへん(スタァライトチャンネルより引用)。

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 シクラメンギリシャ語で円を意味する語に由来するらしく、それだけだと大場ななのループを想起させるなぁという感じなんですが、名前が死、苦に、色が血に通じる(のでお見舞いには不適切)という話や、「豚の饅頭」という別名があったりする、なんとも恐ろしい花らしい。

 キリンが貪る「レヴュー」と豚の饅頭…?わかります(わからない)。

終わりに

 それっぽいことをちょこちょこ書いてきましたが、解釈なんで正しさはグラデーションの中です。正しいかもしれないしそうじゃないかもしれない。あるいは、解釈とは、その内容の正しさではなく、その行為自体、考えること自体に意味があるのかもしれません。解釈一致/違いはあっても、明確な解釈正解/間違いはないのかもしれません。

 そういう意味で、劇場版はなかなか解釈しがいのある作品だなと感じました。各所のモチーフにも様々な元ネタがあったりしますし、それらを拾うかどうかで人ごとに観方は違ってくるということもあるでしょう。

  このような様々なモチーフを時間や空間、ジャンルをブンブンと乗り換えて全力で投げかけてくる映像と感情的な「レヴュー」、舞台少女と観客の見る―見られる、あるいは喰うー喰われるの本能的な、野性的な奪い合い。

 これが、ワイルドスクリーンバロック

 ―――わかります。

 

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