年に1回、振り返るためだけにこのブログがあると言ってもいい。今年もこの季節がやってきました。早いですねぇ……。
今年はアニメ、音楽、競馬についてまとめて振り返っていきます。
アニメ
TVアニメ
2024年に放送されたTVアニメから、4作品を振り返ります。
ガールズバンドクライ
これほど中指(or小指)を立てまくったアニメは初めて観ました。理不尽への抗いって観ていて気分がいいし、ロックなんですよね。
ガールズバンドものとはいえ、部活や同年代同士の活動ではなく、大人も交えて本気でバンドで食っていこうとするレベルのものは今まで無かったかもしれません。その分楽曲のクオリティも高く、演奏技術を重視したというキャスティングからも音楽へのこだわりがみられます。
ストーリーも面白く、キャラの個性も光っていました。井芹仁菜の我の強さよ。
映像もほぼ3Dという力の入れようで、ライブシーンで動きまくるカメラワークが印象的でした。仁菜の殺気トゲエフェクトみたいなのもいい発明でした。
ゲーム化するらしいですが、今後どういう展開があるのか気になります。
新曲くれ~~~!
響け!ユーフォニアム3
完結しました。観てない方は観てください。
京都アニメーション制作で、クオリティが高いのは言わずもがな。高校3年間の青春を、これだけ丁寧に描き切ったのは本当にありがたいことです。
3年生、そして部長となったからこそ見えてくる部活のあり方や人間関係に久美子は向き合うことになりますが、その上さらに高校生活最後のコンクールソロパートを賭けたオーディション……。リアリティのある緊張感で胸が苦しくなりますが、それもまたユーフォの味です。
また、高校生の進路選択が個人的にめっちゃ好きなので久美子がしっかりと道を選んでいたのはぐっときました。
本当にいい作品でした。
小市民シリーズ
人が死ぬようなことはありませんが、『氷菓』よりも事件性のある事件が起こるため、やや緊張感があります。
その緊張感が、ヒロインである小佐内さんの魅力というか、怖さを引き立てているように感じます。甘いもの好きな小佐内さんの可愛さに、あの執念深さを足したのは本当に悪魔的。
作画のクオリティが高いのも高評価。最近のアニメって作画クオリティの基準がどんどん高くなってきてますね。
2025年4月から2期があるようで、今から楽しみです。
ネガポジアングラー
何の気なしに観てみたら思いのほか好みに合ったオリジナル釣りアニメ。
『放課後ていぼう日誌』、『スローループ』などもそうですが、釣りアニメがどういうわけか好きなのかもしれません。釣れた時のあの射幸心(?)が満たされる瞬間がいいんですよね。
主人公の常宏は落ちるとこまで落ちたというようなダメ大学生で、その上病院で余命を告げられて自暴自棄に。その後なんやかんやで釣り人に助けられ、それをきっかけに釣りやアルバイトをすることに…。
自分の今後に向き合うシリアスパートが最後にはありますが、それまでのただ釣りを楽しむだけのゆるやかな日常パートも好きです。仲間と何かをワイワイやるという趣味の幸せみたいなものを改めて噛みしめました。
あと、舞台である東京湾周辺・月島あたりの風景も好きです。都会の喧騒を横目に、川や海をのんびり眺められる感じがいいというか。旅行で行った時に立ち寄ったんですが、少しでもその空気感を感じられてよかったです。
劇場アニメ
トラペジウム
アイドルに憧れたひとりの少女・東ゆうがメンバーを集めてアイドルを目指す、と言えばありそうな話ですが、そう甘くはありません。アイドルに”絶対に”なりたくてなりたくてしょうがないという、もはや狂気じみた東ゆうの夢がメンバーを巻き込んで至る結末は……という物語。
なかなかエグみがあって変化球なストーリーでしたが、それゆえにどんな結末になるのか分からない緊張感もあり、この作品独特の味が出ていたように感じました。
人間、余裕がなくなってなりふり構わなくなるとこうも尖ってしまうんやな……となりました。暴走して他人を傷つけてしまうのは反省すべきことですが、それほどの大きな執念を持ち続けられることはすごい。東ゆうという人間をしっかり描いたという点でいい映画だったと思います。
劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:/Re:Re:
総集編のくせに面白いの、すごいです。
もともとTVアニメ版が面白かったから観に来ているとはいえ、劇場の音響、さりげない新規パート、新曲主題歌、プロットの入れ替えなどの様々な工夫でここまで総集編を面白くできるものなのかと思いました。
特にSTARRYでのライブ3曲目に『ドッペルゲンガー』を持ってきたのにはビビりました。総集編の新規パートにしては情報の重要度が高すぎる。完全にノーガードだったので劇場で声出そうになりました。
続編のこととかあればなおよかったですが、まぁ気長に待ちましょう。
きみの色
『けいおん!』、『リズと青い鳥』の山田尚子監督による音楽×青春映画。人が「色」で見えるというトツ子、思うところがあり高校を退学したきみ、親からの期待と本心との折り合いに悩むルイの3人が出会い、バンド活動を通して何が生まれるのか……という物語。
自ら音楽を作って奏でるという特別感と、「自分は何者か」という青春の問いが、山田監督の秘めやかで丁寧なタッチにより描かれました。オリジナルの作品ということもあって、いわば山田ワールドが存分に発揮された映画になっていると感じました。
また、音楽を担当するのは『リズと青い鳥』でも参加していた牛尾憲輔氏。山田監督の作り出す静かな空気感とそれを邪魔せず引き立てる音楽がやっぱりすごいです。テルミン(世界初の電子楽器)の音が聴けるアニメ作品というのも珍しい。サントラを聴くだけでもかなり映画の空気感を味わえます。
いい映画でした。
2025年の展望
スタジオカラーとサンライズが交わったという『機動戦士 Gundam ジークアクス』が発表されており、2025年の1月には一部話数の劇場版が観られるということで今から楽しみです。他にも『ウマ娘 シンデレラグレイ』や『ユア・フォルマ』が楽しみな作品です。
映画では『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ〈ワルプルギスの廻天〉』がありますね。『プリンセス・プリンシパル Crown Handler』の続きもそろそろ欲しいところ……。
それでは、次は音楽について振り返ります。
音楽
これまではベストアニソンという形で振り返っていましたが、別にアニソンで縛らなくてもいいなと思ったので今年はあまりこだわらずにやります。
自分が2024年によく聴いた、あるいはこれを聴くと2024年を思い出すという曲を集めたところ、全部で82曲になりました。
埋め込みから聴く場合は音量注意です。
2024 My Music - playlist by tetchan | Spotify
OP賞:「僕は…」(あたらよ)
『僕の心のヤバイやつ』第2期のOP。
ピアノが入る曲がシンプルに好きというのもありますが、こういう曲のピアノって切なさが感じられて映えますよね。
karte19ではこの曲の冒頭を市川がカラオケで歌うシーンからOPに繋がりますが、後半のポエトリーを含めて歌い切ったのならどんな気持ちになったのか気になります。ポエトリーってダイレクトに言葉を言うんで、恋の気持ちがまっすぐに伝わってあまりにもまぶしいんですよね。
ED賞:Scarlet(ダズビー)
『メタリックルージュ』のED。
テーマの重たさに合った暗めの曲で、ザ・エンディングという雰囲気が好き。ハスキーなボーカルも儚みがあっていいです。
聴きすぎると心がざわつきますが、それもいいEDである証拠。秋に聴きたい曲です。
周辺曲賞:Re:Re:(結束バンド)
今年は映画主題歌、キャラソン、挿入歌、ゲームソングなどをまとめて周辺曲としました。
この曲は『劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:Re:』のED。タイトルからしてこの曲をカバーしないはずがないとは思ってましたが、劇場で実際に聴いた時はほんまにあるんや……となりました。
『Re:Re:』だと確定するまでの焦らしイントロもにくいですよね。そのおかげで確定したときにブチあがるわけですが。
冷静に20年前に初出の曲で今なお盛り上がるというのもすごい話だと思います。そもそも「Re:Re:」ってメールの返信の返信って意味ですが、今やメールでやり取りするのも少なくなっており、その点でも時代を感じます。
ピックアップ①:私は雨(稲葉曇)
カテゴリー分けが難しかったり、同じカテゴリーでいい曲が複数あったりしたので思い切ってピックアップとして挙げていきたいと思います。
この曲は『ラグトレイン』などで知られる稲葉曇がプロセカに楽曲提供したものらしいです。
曲の節々で流れるピアノのリフが印象的で、ポツリ、ポツリと雨粒が落ちていく様が音として表現されているように感じます。
『私は雨』というタイトルも陰の趣があって好きです。MVもモノクロで、曇り空の下にいるような寂しげな感じがマッチしています。
ピックアップ②:ビビッド(tayori)
どういう経緯で知ったかは忘れましたが、サジェストなどで新しいアーティストに巡り合えるのはSpotifyの醍醐味ですね。アーティストをディグった時に好みのヒット率が高いとテンション上がります。
バンドサウンドで、テンポもよくサビが気持ちいいという理由でピックアップしましたが、この曲に限らず、綺麗なボーカルとメロディがめっちゃ好みです。
来年にもう少し深堀りしたいです。
ピックアップ③:セツナヒコウキ(BURNOUT SYNDROMES)
友人から共有プレイリストかカラオケで教えてもらいました。
心の叫びのようなボーカル、ドラマチックなメロディ展開、物語性のある歌詞など、好きなポイントが多い曲です。ギターでタメてからのサビがほんまに気持ちいい。
BURNOUT SYNDROMESの曲は他にも『墜落/上昇』や『人工衛星』を今年聴きましたが、どれも「重力」をモチーフにしているように感じました。何かしらの共通したモチーフがあると、アーティストの味みたいなものが感じられていいです。
大賞:雑踏、僕らの街(トゲナシトゲアリ)
今年の大賞はこの曲以外ありえないというぐらい聴いた気がします。それでも飽きが来ないのは不思議なところ。
ぼざろがあれだけ流行った後、それでもまだガールズバンドものをやるというのも覚悟がいるものだと思いますが、しっかりと熱量のある作品になったと思います。
トゲトゲの曲は全体的に早口なものが多いですが、思ったことを全部ぶち込んでいる感じがしていいですよね。思想の強さで戦ってる部分もあるので。
ピアノが入っているのもありがたい。OPの37秒ぐらいのピアノパートは智ちゃんの浮かれ具合も相まって好きな人も多いはず。
改めて、新曲くれ~~~!
川崎が舞台ということで川崎競馬とコラボしたのも驚きでした。
というわけで次は競馬の振り返りです。
競馬
今年もそこそこ競馬しました。今年は藤岡康太騎手の悲劇や、相次ぐスマホ問題、ドウデュースの有馬記念直前取り消しなど、残念なニュースは去年よりも多かったですが、G1初制覇が多かったり、明るい話題もちゃんとあったという印象です。特に、ヴィクトリアマイルでの津村騎手のG1初制覇がブービー人気馬での勝利ということもあって印象に残っています(馬券は外れましたが)。
それでは、ほかに印象に残っているレースを振り返っていきます。
安田記念(G1)
香港最強馬ロマンチックウォリアーが殴りこんでくるということで盛り上がりました。去年は外国馬のG1参戦がフェブラリーステークスのシャールズスパイト、ジャパンカップのイレジンしかなく、ここまでの強豪馬がやってくるレースを観るのは初めてでした。
そこまで強いならということで、ロマンチックウォリアーと、稍重適性がありそうだったソウルラッシュとのワイドで勝負。
最後の直線はしびれました……。ステラヴェローチェとフィアスプライドにふさがれていた進路が開いた瞬間ロマンチックウォリアーが抜け出し、そこから誰にも抜かさせないという圧倒的な押切りでした。マクドナルド騎手のガッツポーズもカッコよくて印象に残りました。
2着にはナミュール。前走のヴィクトリアマイルでは凡走でしたが、ここでは本領発揮。やはり叩き良化型なのかもしれないと感じました。
ソウルラッシュは意地で3着に入り、馬券は的中。モレイラありがとう。
産経賞オールカマー(G2)
エプソムカップで存在感を示したレーベンスティールが出走するということで注目のレースでした。そして相手を見てみると函館記念で穴をあけた逃げ馬アウスヴァールの姿が。近走に比べると距離は長い印象で、なおかつ乗り替わりでしたが、鞍上は田辺騎手。逃げたら上手い印象があり、トラックバイアスも前残りだと思ったので思い切ってレーベンスティールとのワイドで勝負しました。
スタートしてみればレースはアウスヴァールのペース。4コーナーを曲がってからもしぶとく粘り、ひょっとしたら勝つんじゃないかというところまで行きましたが、レーベンスティールが狭いところから抜け出して一瞬の足で差し切りました。
とはいえアウスヴァールは2着で馬券は的中。今年のレースで一番妙味のあったワイドだったと思います。ダメもとでやってたので馬連を買ってないことを後悔しました。
マイルチャンンピオンシップ(G1)
安田記念に続いて、今度はアイルランドからチャリンが殴りこんできました。ロマンチックウォリアーのおかげで海外馬はめちゃくちゃ強いという印象を持っていたので、安易に本命にして複勝勝負をしてしまいました……(某お笑い芸人と本命ソウルラッシュが被ったため変えたというのもあります)。
結果はソウルラッシュの圧勝。2~5着はタイム差なしの接戦でしたが、チャリンは出遅れに加えて外を回ったこともあって5着。こういう負けが一番モヤモヤします。
ソウルラッシュ鞍上の団野騎手は巡ってきたチャンスをしっかりとものにしてさすがでした。早すぎるガッツポーズは、もはや清々しくて好きです。
チャンピオンズカップ(G1)
国内ダートG1級競走5連勝の怪物レモンポップの引退レースということで注目の一戦でした。1番人気は当然レモンポップで、2番人気は昨年12番人気ながら2着に激走したウィルソンテソーロ。強いのがバレるとこんなにも人気するようになるんやな……と感じました。ところが、昨年9番人気で3着に激走したドゥラエレーデは今年も9番人気。これを買わない手はないということで、1~4番人気の馬にドゥラエレーデとスレイマンを足した6頭の3連複BOXで勝負しました。
結果はレモンポップがウィルソンテソーロの猛追をハナ差凌いで優勝し、有終の美を飾りました。そこにドゥラエレーデがまたもや3着に来て昨年と1~3着が全く同じに。そんなことある?
レース後公開されたジョッキーカメラには坂井瑠星騎手がレモンポップを「がんばれ!」と鼓舞する声が入っており、話題になりました。人馬一体となって引退レースを勝利で飾るの、さすがにカッコよすぎる。
ジャパンカップ(G1)
結果的にドウデュースのラストランになってしまったジャパンカップ。秋の天皇賞を圧倒的な末脚で優勝し、期待が高まる中、ディープインパクト産駒の最高傑作とも言われる海外馬オーギュストロダン、今年の2冠牝馬チェルヴィニア、昨年の有馬記念で1着を争ったスターズオンアースといった強豪との対決に注目が集まりました。
スタートして、ドウデュースは確立した追い込みスタイルで後ろから。明確な逃げ馬が不在の中、ハナを取ったのは凱旋門賞に挑戦した3歳馬シンエンペラー。そのままの隊列で落ち着くかと思いきや、昨年の菊花賞馬ドゥレッツァがまくるようにして先頭へ。この時点で1000m通過は62秒とかなりのスローペース。こうなると前を行く馬が有利だが……。
3コーナーの時点で後ろから2番目の位置にいたドウデュースは、4コーナーで位置をあげ、直線で後は前を抜き去るだけという構え。残り400mを過ぎたあたりで他馬の走りを残像に変える勢いで先頭に立ち、後続の追随も振り切ってゴール。展開不向きも関係なく、ただただ純粋な強さ、速さで優勝。
もう誰にも負けないような強さを目の当たりにしました。ダービーであのイクイノックスを負かした実力は本物でした。
欲を言えばあと一走、有馬記念で秋古馬三冠を観たかったですが、しょうがない。
ありがとう、ドウデュース。
終わりに
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。最後はいつもの回文で締めたいと思います。それでは、よいお年を~!
研ぎ師フカマル、摩訶不思議と。
辰年だったということで。